「暮しの手帖」と映画「アラバマ物語」
朝ドラのおかげで、ヒロインのモデル大橋鎭子さんを扱った本が、本屋さんの店頭で平積みに並び、
【ポケット版】「暮しの手帖」とわたし (NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』モチーフ 大橋鎭子の本)
- 作者: 大橋鎭子
- 出版社/メーカー: 暮しの手帖社
- 発売日: 2016/03/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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それに加えて、暮しの手帖の本誌も平積みに置かれているところを見ると、ほっこりします。
だって……私の年代の友人と話していると、みな、「暮しの手帖、むかし母が購読していたわ~」と言うのです。私もそう、うちの母も「暮しの手帖」を本屋さんに予約していて毎号読んでいました。
Σ(゚д゚lll)ガーン 私たちがすでにいい年のおばちゃんなのに、「暮しの手帖」を愛読していたのはその母世代???
「暮しの手帖」は、広告を一切取らない雑誌で(だからお値段もちょっと高く)、商品テストをしたり、お料理のレシピや、エッセイや、ていねいに暮らすヒントのようなものの書かれたとてもいい雑誌です(子どもの頃の記憶より)
これは、暮しの手帖社のFacebookページからもらってきてしまいました。
https://www.facebook.com/kurashinotecho/
暮しの手帖がFacebookやツイッターもやっているなんて隔世の感があります……。
「これは あなたの手帖です」で始まるこの巻頭言、昔はもっと大きなちょっと怖い感じの文字で印刷されていたような気がします。(子どもの頃の記憶より)
さて、『アラバマ物語』です。
以下は2013年に私が読んだ時に、読書メーターに載せた私の感想です(*‘ω‘ *)
To Kill a Mockingbird(原題)は、アメリカの中高生なら、必ず学校で勉強するらしい。人種差別を描いた古典的名作だ。 小さな田舎町で起こる不条理な事件を、聡明な子供の視点から描いて、わかりやすく解題している。 この翻訳は、最初に暮らしの手帖らしい啓蒙文が載っていて、細かい字の二段組みで、映画のスチール写真を挿絵がわりに使っていたり、なんか読みにくい。 意味の通らない文章もあったりして、翻訳のせいなのか…とも思うけど、絶版にしない暮らしの手帖に感謝して読んだ。
この翻訳は1964年に刊行されたそうです。1984年とあるのは改訂版なのでしょうか?上に書いた通り、変な序文、2段組み、映画のスチールを挿絵代わりにする(表紙も)、しかも訳が読みづらい(古いせいか)。という変な本なのですが、ちゃんと今でも売っているんですね。
前回の「バレエ・シューズ」で、海外で長く読まれている本が、日本では絶版になってしまう、図書館にもなくなる、と愚痴りましたが、この本もアメリカでは学校で習うような誰でも知っているお話らしいのに、日本ではあまり読まれていない。読まれていないながら、絶版にしないで変な本のまま売り続けている、暮しの手帖社さんて、本当に偉大だと思うのです。
今回、「バレエ・シューズ」を借りに行ったついでに、本を読んでからちょっと時間がたったのですが、「アラバマ物語」のDVDも観ました。
To Kill a Mockingbird (1962) trailer
1930年代、アラバマ州の田舎町。スカウト(妹)はお転婆娘、ジェム(兄)はハンサムな正義感。毎日友達と3人でいたずらばかりして遊んでいます。二人の母はいなくて、父アティカス・フィンチは町の弁護士。あるとき、黒人の被告人の弁護を頼まれます。容疑は白人女性への暴行。
本でもヒーローな父親像でありましたが、グレゴリー・ペックがとても素敵!!
この作品で、アカデミー賞主演男優賞を受賞しました。
以下、ネタバレの内容を含みます。
黒人差別が根強く残る南部の州で、黒人の弁護をする、というだけでアティカスも子供達も町の人たちから白い目で見られます。
裁判のために町へ来た黒人を、襲おうと集まる町の人たち。一人で立ち向かおうとしていたアティカスの元へ子供たちがやってきます。緊迫のシーンで、スカウトが町の人のなかに見知った顔を見つけます。
裁判が始まり、町中の人が詰めかけます。
白人女性は、黒人の男に暴行されたと証言し、女性の父はその現場を見た、と証言するのですが、黒人男性は、白人女性がかわいそうで日ごろから家のことを手伝っていた。ある日家に連れ込まれて、女性から迫られたところへ、女性の父が帰ってきたので逃げたと証言します。女性には左手で殴られた跡が。そして女性の父は左利きで、しょっちゅう娘を殴っていた。しかも、黒人男性は左手が過去の怪我でマヒして動かない。黒人男性に有利な証拠がそろったにもかかわらず、陪審員は、黒人に有罪を告げます。
控訴できるから、とアティカスに言われたのに、逃走を図って黒人男性は殺されてしまいます。気落ちするアティカスと子供たち。しかし、裁判で恥をかかされたとして原告の父親はアティカスの子供たちを襲います……。どこまでも卑怯な奴!子供たちは近所の隠棲している(たぶん知的障害のある)男に助けられ、襲った男は殺されていました。保安官は、自分のナイフの上に倒れて死んだのだ、と事件にしないことを皆に納得させたのでした。
この映画は、おもしろかったですね~。本は長くて、もっといろんなエピソードがあるのですが、映画は裁判に焦点を当てて、すっきり仕上がっていました。受賞歴もすごいです。
2003年に、アメリカ映画協会の「この100年のヒーローと悪役ベスト50」というリストがありまして、アティカス・フィンチ、堂々の第1位です。
おもしろいので10位までの表をつけました。
2位インディアナ・ジョーンズ、3位ジェームズ・ボンドをおさえて、堂々の1位です。
悪役の方では、ダース・ベーダ―が、ハンニバル・レクターとノーマン・ベイツ(サイコ)に負けています!