5月に読んだ本まとめ
5月は、なんだかとても時間があって、映画を11本も観に行ってしまいました。それをちゃんと記録しておかないといけないですね~、せっかくブログを始めたのに(笑)。
そんなわけで、読書が進みませんでした。反省しています。
その他に、仕事で使う教科書に載っているお話の原典を読んでみようと思い立ちました。それと、「奇妙な味」のイベントがあって、ダール、サキ、コリアを読みました。
5月で一番の本は、これです。
自らを「紛争屋」と呼ぶ伊勢崎賢治さん。NGOの職員として、国連のPKOとして、訪れた地は激しい紛争地帯ばかりだ。その中で、大局を見極め、人材を活用し、コミュニケーション能力に長け、人々の信頼を勝ち取る、そんな活躍をしている日本人がいたとは驚きだ。「平和の思想を持ち出しても紛争は終わらない。このまま紛争が続けば暮らしていけない、和平の必要性が生存に直結すればするほど人間は団結する」・・・集団的自衛権の行使を認める伊勢崎さんは、同時に護憲派だ。
「平和憲法の下、不戦を誓った日本だからこそ、敵味方が入り乱れ、一触即発の緊張状態のなかでも、歴戦の兵士の武装を解かせることができる。」 「テロの温床になっている地域において、日本ほど評判のいい国はありません。それは日本の憲法があるから。第二次大戦後、先進国の中で唯一戦争をしていない。しかも資源の獲得など利権のために関わっているのでもない。だから日本は受けがいい。」「闘いの場で、戦力は不足していない・・・国際貢献の方法としては、戦闘に劣らず、武装解除や調停、復興支援、軍事的な停戦監視などが重要だ。丸腰で行うのだから最も勇気の必要な仕事だが、日本だから適任なのだ。」 武装解除とは、武器をとりあげる、団体を解散させる、社会復帰を手助けするとそこまで面倒を見る大変な仕事だ。平和憲法を利用できるだけ利用した方がいい、とは現場経験者ならではの言だが、その神通力も現首相の時代で終わりになるのでは。
読了日:5月24日 著者:森功
2015年5月の読書メーター
読んだ本の数:12冊
読んだページ数:2314ページ
ナイス数:661ナイス
【教科書に載っているお話シリーズ】すみれの絵を細密に描いて、きれいな絵本だ。すみれのたねをありが運ぶ仕組みについてもやさしく語られている。教科書は、これを説明文に書きなおしたものと思われます。説明文は固いのですが、こちらの本は絵も多くて、やさしく語りかける口調なので、これを読ませてあげたいなー。と思います。(2年生)
読了日:5月29日 著者:矢間芳子
【教科書に載っているお話シリーズ】たんぽぽの生態を描いたやさしい絵本で、絵も素晴らしいです。教科書に載っているものは、説明文として文を書き直したものだと思われます。(2年生)
読了日:5月29日 著者:植村利夫,網中いづる
【教科書に載っているお話シリーズ】表題作が2年生の国語の教科書に載っています。8つのほっこりする短編集で、ルビはついているものの、かなり難しい漢字もあり、字も小さくて、子供が読むのにも、読み聞かせをするのにも向かない体裁です。
読了日:5月29日 著者:竹下文子
今回は大航空会社の再建話ですが、テンポよく引き込まれて寝不足になっちゃいます。『沈まぬ太陽』みたいに航空会社にメスを入れる!?と思いましたが、航空会社は悪者としては扱われず、下町ロケットの作者は飛行機も好きなのね…などと思いました。
読了日:5月27日 著者:池井戸潤
本が大好きな主人公とその親友の二人の美少女。3年生から22歳までの二人を描くが、本の話題がたくさん出てくるので読んで楽しい。直木賞候補になった小説ではあるけど、精神年齢的にはYAの範囲内だと思う。おもしろかったです。
読了日:5月25日 著者:柚木麻子
訳者あとがきにもあるように、小公女を思い浮かべながら読む。イギリスのお金持ちの家で、お父さんがアフリカで死亡。財産をなくし、寄宿舎に入れられていじめられるくだりが同じ運命の二人。小公女の主人公は健気に頭をあげて、お金持ちの世界へ戻っていくが、この少女は転落の一途だ。ごろつきに売られて何をされるのかと思ったら、暗い部屋で造花作り!笑・・・MOEのゴーリー特集を読んだので、もう1冊読んでみました。
読了日:5月18日 著者:エドワードゴーリー
後半の「クロードの犬」のシリーズは、イギリスの農村のリアリズムを描くようで、奇妙な味とはちょっと違うようだがこれもおもしろかった。以前の版にない、ボーナストラックがついたのもうれしいところ。
読了日:5月17日 著者:ロアルド・ダール
読書会の課題本。冒頭の3行を読み、いい文章だなと思う。が、主人公が神谷に惹かれている理由が、主人公の独白からわかるだけで、神谷の描写からはうかがえない。お笑いの部分が全然笑えずつまらないのだが、普段バラエティをあまり観ないので、私の「共感の部分」の力不足のせいでしょう。徳永も神谷もモデルはいないというが、だからグッと来ないのかな。芥川賞か直木賞にノミネート確実!というような見出し記事があって笑えるのだが、内容的には芥川賞、長さで直木賞の名も上がるのか。どちらにしても出版界が手放したくない作家の登場だ。
読了日:5月14日 著者:又吉直樹
初めて読んだのは高校生の頃だと思うが、「南から来た男」はくっきり覚えていた。なんて怖い話でしょう。「おとなしい凶器」もよく覚えていたものの、クリスティの作品かと思っていたような気もする。やはりロアルド・ダールはすごい。1980年以降は児童文学の執筆に専念した、とあるが、大人向け・子供向けの両方を書いて、児童書の方だけで名を残す作家は多い(ルイス・キャロル、ジェームズ・バリ等)が、この短編がある故に、ダールは両方とも読まれ続けるだろう。
読了日:5月10日 著者:ロアルド・ダール
「開いた窓」なんか怖くて面白かったです。大人を恐怖のどん底に陥れてすましている15才の少女。「休養」と「マルメロの木」の仕掛け人ヴェラ(16歳)もお気に入りです。軽妙に書かれていながら、救いのない結末に落とされたり。ニヤリとする短編集でした。
読了日:5月6日 著者:サキ
【奇妙な味海外読書会】短編集。トップバッターの『夢判断』が一番面白かったです。1930年~50年代に書かれ、舞台はイギリスやアメリカだが、中流以上の夫婦ものが多くて、奇妙な味だけどとても上品だ。『ロマンスはすたれない』が私好み。ノミが主人公の『ギャヴィン・オリアリー』では、TVドラマ「アリー・マイ・ラブ」のアリーのノミのジョークを思い出したが、そんな下品な事にはならないのでした。
読了日:5月1日 著者:ジョンコリア