rocorinne bookworm

この映画観たよ。

2月に読んだ本のまとめ

2月で一番の本は、リンドグレーンの「ロッタちゃん」のシリーズにします。読みながらとても幸せな気持ちになりました。

 

 

ちいさいロッタちゃん (世界のどうわ傑作選( 2))

ちいさいロッタちゃん (世界のどうわ傑作選( 2))

 

ロッタちゃんシリーズ第1作。ヨナスにいさん、わたし(マリヤ)、小さい妹のロッタは3才。3人とも就学前だから、年子くらいかと思いますが、上の二人はとてもやんちゃ。ちいさいロッタはそれに輪をかけたような、やんちゃ、ごうじょっぱり、負けず嫌いです。3人のしでかすことに周りの大人はてんてこ舞いさせられます。上の2人に負けまいと意地をはるロッタですが、そんなロッタをみんなが可愛く思っている、幸せを絵に描いたような場面にあふれたお話だと思います。

読了日:02月14日 著者:アストリッド=リンドグレーン

 

ロッタちゃんと じてんしゃ (世界の絵本)

ロッタちゃんと じてんしゃ (世界の絵本)

 

ロッタちゃんシリーズ、たぶん2作目。お兄さん、お姉さんのように自転車に乗りたいロッタは、5歳の誕生日に自転車を期待していたが、もらえずがっかり。隣のベルイおばさんの物置から自転車を盗み出します。大人用自転車に乗って、坂を下ろうっていう……なんというおてんばさんでしょう!前作に続きヴィークランドの絵ですが、オールカラーで花びらの舞い散る庭、北欧の素敵な内装などが細かく描かれて素敵です。1作目は挿絵いっぱいの童話、これは絵本になっているので、シリーズとは言えないのかな?

読了日:02月14日 著者:アストリッド=リンドグレーン

 

ロッタちゃんのひっこし (世界のどうわ傑作選( 1))

ロッタちゃんのひっこし (世界のどうわ傑作選( 1))

 

ロッタちゃんの童話。5歳の誕生日を迎えたばかり。嫌な夢をみたロッタはママに八つ当たり。セーターを切りきざんでしまい、引っ込みがつかなくなる。そうだ、引っ越そうと考え、隣のベルイおばさんの家へ。相変わらず手に負えない傍若無人ぶりだ。『ちいさいロッタちゃん』から読んでいなかったら、この子供に辟易したかもしれない。「かわいいロッタがいるんで、ほんとにたすかるわ。でないと、ママは、ひるまはほんとのひとりぼっちだもの」といつも言ってくれるママ。ロッタが学校へ行く前のほんの短い時期を切り取ったかわいいお話だ。

読了日:02月14日 著者:アストリッド=リンドグレーン

 

ロッタちゃんとクリスマスツリー (ロッタちゃんがかつやくする絵本と童話)

ロッタちゃんとクリスマスツリー (ロッタちゃんがかつやくする絵本と童話)

 

ロッタちゃんシリーズ、絵本。もう5歳を超えているのに、相変わらずぬいぐるみのバムセを連れて歩くロッタ。「あたい、やろうとおもいさえすれば、なんだってできるのよ」と大口をたたくロッタだが、具合の悪いベルイおばさんの見舞いに行って、お世話もできてすごい成長ぶりに感心します。負けず嫌いの意地っぱりは、能力の高い証拠!?クリスマスツリーを買い損ねて消沈する一家。偶然からロッテは立派なツリーを手に入れます。(ふしぎだなあ、あたいはやれることがいっぱいあるんだ)と考えるロッタ。リンドグレーンの描く女の子は元気ですね!

読了日:02月14日 著者:アストリッド=リンドグレーン

 

  

2月の読書メーター読んだ本の数:15読んだページ数:4146ナイス数:1160

 

 

 

虚空の旅人 (新潮文庫)

虚空の旅人 (新潮文庫)

 

チャグムが主人公で、南のサンガル王国で大活躍。チャグムも成長したし、舞台もとっても広がった!バルサがうわさ話でしか出てこなくてちょっと寂しいものの、バルサやトロガイ抜きに問題を解決できて、立派です。再読だけど、話をあまり覚えてなくて^^; 読んだのはこの本までかな?次も読んだかな?続けて読みます。

読了日:02月02日 著者:上橋 菜穂子

 

神の守り人<来訪編> (偕成社ワンダーランド(28))

神の守り人<来訪編> (偕成社ワンダーランド(28))

 

守り人シリーズ5作目。追われる12歳の美少女(とお兄ちゃん)を守る決心をしたバルサ。しかし少女には想像を絶する力が備わっていた……。ロタ王国の歴史と内政に関わり、ロタとヨゴの国境に舞台を移す。心がまっすぐで困難に首を突っ込んでしまうバルサとタンダ。後半へ続きます。

読了日:02月03日 著者:上橋 菜穂子

 

神の守り人<帰還編> (偕成社ワンダーランド(29))

神の守り人<帰還編> (偕成社ワンダーランド(29))

 

ロタ王国の抱える問題は歴史的にも古く、地理的にも南北の格差や、サンガルを超えた南からの脅威まであって、ほんとたいへんなのだ。それを俯瞰的にみつめてきたスファルの娘シハナ。本編の悪役だが彼女の気持ちもわかるというものだ。満身創痍ながら問題の少女アスラ(とお兄ちゃん)を守るバルサとタンダ。最後はアスラ自身のがんばりがみられてよかったな~、児童文学はこうでなくっちゃ。

読了日:02月03日 著者:上橋 菜穂子

 

蒼路の旅人 (偕成社ワンダーランド (31))

蒼路の旅人 (偕成社ワンダーランド (31))

 

守り人シリーズ7話。「旅人」編はチャグムが主人公。干ばつを不思議な力で救った皇太子として人気が出る一方、父帝にはその聡明さゆえに疎んじられている。父帝の三ノ宮に男子が生まれてからは、命の危険まで。そして南からの脅威。海を隔てたタルシュ帝国は秘かにサンガル王国を従えていた。囚われてタルシュ帝国の繁栄を目の当たりにしたチャグム。長身ながらまだ15歳。これからどうなるの?がんばれ~!

読了日:02月04日 著者:上橋 菜穂子

 

ヴィルパリジ夫人のサロンは三流と言われながらも、多種多彩な人々が集まり、実は一流なサロンよりおもしろかったのだろう。身分の高い客は親戚筋だけで、私の目下の憧れの対象ゲルマント公爵夫人は、容姿も精神も少しも美しく描かれていない。回想の視点によるものだからか。しかし貴賤を問わず、誰もが人の悪口を得意げに語るのには恐れ入る。反ドレフュス派が殆どでブロックでさえ気の毒になる。後半は祖母の死まで。変なお医者や滑稽な見舞客などもあるが、甘えんぼだった私が祖母の重篤な状態から死までしっかり寄り添う姿にちょっと感動。

岩波版は「ゲルマントのほう」を3分冊にしているのですが、校正刷の段階まではひとまとまりだったのに、出版時の分量の都合で分断された、祖母の病気と死をまとめて収録したかったからのようです。

読了日:02月09日 著者:プルースト

 

天と地の守り人〈第1部〉ロタ王国編 (新潮文庫)

天と地の守り人〈第1部〉ロタ王国編 (新潮文庫)

 

守り人シリーズ8話。7話で無謀な賭けに出たチャグムを、バルサが追う。鎖国した新ヨゴ皇国から、ロタ王国の南方、また北部のジタンへ。タルシュ帝国の侵略から自分の皇国を守るために必死なチャグムの抱えるものの大きさに「もう、わたしなんぞの出る幕じゃないな」と思うバルサ。しかしチャグムに迫る危険を知り、懸命に後を追う。再会できたのは、本編の最後の最後だ。バルサとチャグムと共にとてもうれしい私(笑)。徴兵されてしまったタンダ。皇国の身中の虫を知ったシュガ。ナユグの春。続きが楽しみです!

読了日:02月09日 著者:上橋 菜穂子

 

 

天と地の守り人〈第2部〉カンバル王国編 (新潮文庫)

天と地の守り人〈第2部〉カンバル王国編 (新潮文庫)

 

守り人シリーズ9作目ロタ王国とタンガル王国の同盟をとりもつために、バルサとチャグム、この長い物語の二人の主人公が馬を並べて旅をする。行先はバルサの故郷タンガル王国だ。追ってくる刺客。昨日の敵は今日の友。またその逆もあって、まさに命がけの旅だ。強いバルサも傷だらけ。チャグムの成長は目覚ましく頼もしいものの、ナユグにさらわれないようにバルサに手を握っていて、と頼んだりするのが、胸キュンポイントでした。チャグムはロタへ、バルサは新ヨゴへ、別々の旅立ちで終わり、いよいよ次で最終章です!

図書館で借りやすいほうを借りていたので、単行本で読んだり文庫本で読んだりしていましたが、天と地の3部作の文庫版には、上橋菜穂子さん、佐藤たか子さん、荻原規子さんの鼎談があっておもしろい。『三人寄れば、物語のことを』も読みたくなりました。

読了日:02月10日 著者:上橋 菜穂子

 

 

天と地の守り人〈第3部〉新ヨゴ皇国編 (新潮文庫)

天と地の守り人〈第3部〉新ヨゴ皇国編 (新潮文庫)

 

それぞれの使命を得て新ヨゴ皇国へ戻ってくる、バルサとチャグム。この国にはタルシュ帝国からの侵略と、ナユグの春が引き起こす洪水の二つの危機が迫っていた。そして本当の戦争。その最前線にいるのが一番似合わないタンダなのだ。ヒュウゴの筋書きが功を奏するのだが、彼が本当にタルシュ帝国のことを考えているというのもよかったな。チャグムの苦労はこれから。でも彼にはそれを乗り越えていく力がある。すんごい大技を繰り出しておきながらトロガイも無事で、いつもの暮らしが一番幸せと感じさせるラストは素敵でした。

読了日:02月10日 著者:上橋 菜穂子

 

 

ハヤブサが守る家 (海外文学セレクション)

ハヤブサが守る家 (海外文学セレクション)

 

映画化につられて読み始めたが、不思議な写真と共に語られる話にとても引きつけられた。主人公ジェイコブが祖父の死後、ミス・ペレグリンの家を見つけるまでの不気味さ。奇妙な子供たちと出会ってからの物語は、楽しさと恋から始まって、敵との苦しい戦いへ続く。三部作になっているそうだが、まさに戦いの幕開け、といった感じの終わり方だった。本に使われている宙に浮いた少女などの写真は、古い写真の収集家たちが集めた、本当の昔の写真だそうだ。

読了日:02月14日 著者:ランサム・リグズ

 

 

ぼくたちが越してきた日から、そいつはそこにいた

ぼくたちが越してきた日から、そいつはそこにいた

 

文はローダ・レヴィーン、ゴーリーは絵だけだが、やはりゴーリーらしい本だと思う。引っ越してきた時から庭にいる犬。犬の気を引きたくて飛び出していくぼくの弟オグドン。犬のためにでんぐり返し、かわいい~。そして少しも報われない('_') 土砂降りの雨の中でも何かを待つ犬。ぼくはそいつが名前を待っているのだと気づく。正しい名前を探し続けるぼく。待ち続ける犬。少しずつでも距離は縮まっていくのかな。【エドワード・ゴーリー誕生日読書会’17】

読了日:02月14日 著者:ローダ レヴィーン

 

 

サラサーテの盤 (福武文庫)

サラサーテの盤 (福武文庫)

 

現実から幻想へ。うつつとも夢ともつかぬ不思議でちょっと怖い短編集。表題作『サラサーテの盤』。亡くなった親友の後妻が、親友から借りていた本などを取りに来る。どうして専門書の名前を知っているのか不思議に思う。あるとき、レコードを返してくれ、サラサーテ自奏のツィゴイネルワイゼンだという。そのレコードは演奏の途中、サラサーテの肉声が入ってしまった希少品だ。あいにく手元にない。他所に又貸ししていたのを忘れていたのだ。……そんな話が、ぞくっとくるように書かれている。鈴木清順監督の「ツィゴイネルワイゼン」の原作だ。

この福武書店版は、内田百閒の弟子中村武志が、百閒が固守していた旧漢字・旧仮名づかいを初めて新漢字・新仮名づかいに改めた、と百閒先生に対するお詫びの前書きから始まる。こだわりの名文家で表現が美しく新鮮ながら的確だと感じることしばし。漱石の『夢十夜』は、夢について書かれ、当時は先進的な本であったという。漱石の門人の中で、夢の話の継承者は内田百閒だ、というので、『夢十夜』と読み比べです。でも「夢」とことわらず、現実の続きのように描かれている話が多く、不気味さ、怖さひとしおです。

読了日:02月19日 著者:内田 百けん

 

 

3月は別れの季節。子供の卒業式までなんだか何も手につかず、寂しいな~、と思っていました。