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ニンフェットの告白……『愛人(ラマン)』 その1 ナボコフ編

マルグリット・デュラス愛人(ラマン)』を読み、映画も観て「ほぉぉ~っ」ってなったのでそのことを書きますが、長くなりそうなので、

 

今回はウラジーミル・ナボコフの『ロリータ』について。

 

ロリータ・コンプレックス」ということは、昔はあまり気にならなかった。

例えば中学生くらいの頃、ルイス・キャロルに夢中になった。ルイス・キャロルについて書かれた本を読む。彼が撮影した少女たちの写真を見る。少女はかわいいからな、って思うくらい。

 

娘が生まれると途端に世界はひっくり返る。ロリコン?? 何、気持ち悪いこと言ってるの?控えおろう!子どもたちのそばによるんじゃない!!

 

娘もすっかり大きくなってしまうとまた、冷静になって、ナボコフとか読めるようになるのだ。

ロリータ (新潮文庫)

ロリータ (新潮文庫)

 

 

『 ロリータ』の主人公、ハンバート・ハンバートは、お目当ての少女について語る。

 

さて今から、次のような理論を紹介したい。九歳から一四歳までの範囲で、その二倍も何倍も年上の魅せられた旅人に対してのみ、人間でなくニンフの(すなわち悪魔の)本性を現すような乙女が発生する。そしてこの選ばれた生物を、「ニンフェット」と呼ぶことを私は提案したいのである。……その年齢の範囲内なら、どんな女の子でもニンフェットだろうか?もちろん、答えは否。……見目麗しさも判断基準にはならない。そして下品さ……も、ある種の不可思議な特徴を必ずしも損なうとは限らない。……女子生徒かガールスカウトの集合写真を渡されて、その中で誰が一番美人かと言われたら、正常な男性は必ずニンフェットを選ぶかというとそうとも限らない。芸術家にして狂人、際限ないメランコリーの持ち主、下腹部には熱い毒が煮えたぎり、繊細な背骨にはとびきり淫猥な炎が永遠に燃えている(ああ、身をすくめて隠れていないと!)、そんな人間のみが、かすかに猫に似た頬骨の輪郭や、生毛のはえたすらりとした手足や、絶望と恥辱とやさしさの涙のせいでここに列挙することもかなわぬその他の指標といった、消しようのないしるしを手掛かりにして、直ちに識別することができるのだ――健全な子供たちの中に紛れ込んだ、命取りの悪魔を。彼女はみんなから悟られずに立っていて、自分が途方もない力を持っているとは夢にも思っていない。(ナボコフ『ロリータ』若島正訳より) 

 

要するに、

おじさん用の魅力的な少女って特別だからニンフェットって呼ぶよ。とびきりの美人とは限らないけど、芸術家で変態な僕らにはわかるんだよね。他の子供の中にいても、すぐにわかる。彼女は自分がすごい力を持っている自覚はないんだよね。

 

って、また気持ち悪い身勝手なことを饒舌に語りまくるのがこの変態小説/名作文学だ。主人公ハンバート・ハンバートは、目を付けた娘ロリータの母と結婚し、彼女が事故で亡くなったのをいいことに、ロリータを寄宿学校から連れ出して逃避行に出るというようなお話だ。

 

続きます。

 

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