カンバーバッチ、なんてアスペルガーが似合うんだ・・・。映画「イミテーション・ゲーム」
アカデミー賞作品賞ノミネートが傑作ぞろい、と聞いて、ロードショー終了間際のイミテーション・ゲームを見てきました。
「このお話は実話です」と、文字が流れる。
第2次大戦後、警察署で取り調べを受けるアラン・チューリング(ベネディクト・カンバーバッチ)。彼の話は大戦前にさかのぼる・・・。
以下、ネタバレの内容になります。
ドイツ軍の解読不能と言われる暗号装置エニグマ。それを解読するために集められた天才たちの中に、チューリングがいた。
「ぼくたちはお昼を食べに行くけど」と同僚に声をかけられても、きょとんとしているチューリング。「ぼくたちはお昼を食べに行くけど、きみも行く?」と言われなければ、ランチに誘われていることがわからないのだ。文章を文字通りにしか受け取れない、典型的なアスペルガー症候群だ。そして天才。
TVドラマの「シャーロック」を演じているときも、そのマイペースな天才ぶりが魅力ですよねー。
普段の彼は、こんなにおちゃめなのに。(U2ボノの後ろでフォトボム)
暗号の組み合わせは24時間ごとに変わる。時間に追われて必死に解く同僚たちをよそ眼に、チューリングはマシンを組み立て始める。機械に対抗できるのは機械だけだ!という考えだ。
クロスワードを解く天才で、チームに加わるジョーン。彼を理解し、他のメンバーとの懸け橋的存在になっていく。
彼らの上司は、こんな怖い人。「ゲーム・オブ・スローンズ」のタイウィン・ラニスターだ!(小人ティリオンのお父さん)
2年間の奮闘の後、同僚たちの協力も得て、ついにマシーンは完成!エニグマの暗号を解読することができた。しかし大変なのはここからだ。暗号を解読していることをドイツに知られたら、エニグマを使った通信はすぐに中止され、情報を得ることができなくなる・・・。ここから彼らの試練はさらにつづく。
最初の場面で、チューリングが戦後、取調室にいたのは、当時は違法であった、同性愛の容疑だった。
映画の冒頭で、「このお話は実話です」と告げた文字が、彼のその後の運命を淡々と語る。最重要機密とされた彼らの活躍とその後。秘密は戦後数十年も封印され、チューリングは輝かしい功績と、後世に残る研究を遺したまま、この世を去っていく。
カンバーバッチの魅力に、終始圧倒されました。カンバーバッチ、バードマンのマイケル・キートンを押さえてアカデミー賞主演男優賞をもらった、エディ・レッドメインくんを観るのも楽しみです。(博士と彼女のセオリー)