「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」 ブライアン・クランストン マルコムのお父さん♪
その人に「これはお勧めよ」と言われると、多少畑違い?と思うものでも背伸びして観に行ったりする私。(お茶道具とかね……。)その友人が美人で教養にあふれていて、人格者でありながら(笑)とても気さくな優しい人なので、憧れているんですね。
でも、今回彼女が「これはぜひ行ってください」とパンフレットを見せてくれた「トランボ」。思わず、言われなくても観に行くよーーー!!と思う私。
だって、私のブライアン・クランストン愛には、年季が入っているんです。
オフィシャルサイト:映画『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』公式サイト
話の舞台は第二次大戦後のハリウッド。冷戦がはじまったアメリカでは、いわゆる「赤狩り」が横行して、それはハリウッドの脚本家たちにも及んでいました。当時トランボは超売れっ子の脚本家。そして共産主義の思想を持つことを隠そうとしていませんでした。
娘に「お父さんは共産党なの?」と聞かれるトランボ。そうだよ、と答える父。共産主義と認めるのはとても危険な時代で、おびえる娘。「お前は、貧乏でお弁当を持ってこれない友達がいたらどうする?」「分けてあげるわ」「働いてお金を稼いで来いっていうかな?お金がなければ食べられないのは当然だっていうかな?」「そんなことは言わないわ」(そんな会話だったと思います。記憶を頼りでちょっとあやふやです)
そう、共産主義とはこんな理想に満ちた思想なんですね。ただ、これで成功した国家はついに現れませんでした。
赤狩りの標的となり、議会での証言を拒んだトランボは……。
以下、ネタバレの内容を含みます。
トランボのきれいな奥さん、ダイアン・レイン。
かわいい3人の子どもたちと農場で豊かに暮らす生活。しかしトランボは投獄されてしまう。
刑期を終えて帰ってきたトランボを迎える家族。愛情に満ちた一家は、農場を売って引っ越すが、あたらしい土地でも共産主義者と嫌われる。そして、トランボを更に陥れようとする、ゴシップ・コラムニスト。
派手な帽子が目印の、元女優で赤狩りで儲けているコラムニスト。
「黄金のアデーレ」の時と同じ役者さんとは思えないくらい、いやーな女を演じて上手なヘレン・ミレン様。
仕事の依頼がないので、執筆中の原稿を友人の名で出してもらう。それが「ローマの休日」。脚本でアカデミー賞を受賞する。家でテレビを見ながら喜び合うトランボファミリー。
その後、二流の映画会社に偽名で脚本を書かせてくれ、と談判するトランボ。二の足を踏んでいた会社の社長も、できた脚本を見ると、「あんた天才だ!これもどうにかしてくれ!」とたくさんの脚本を出してくる。
本はダメだけど、なんかいいところがあるんだよな。みたいなセリフがあって、私なんか原作の本が一番よくて、脚本はいかにうまくその味を出すか、という位置づけで今まで映画と原作本、または本と映画化作品を観ていたのだけど、そうじゃなくて、脚本で物語を生かすこともあるんだなーと思ったのでした。こんな事、今更思うのはちょっと情けない。
そして偽名で書いた「黒い牡牛」( The Brave One )もアカデミー賞を受賞!しかし今度は架空の名義なので、受賞すべき人物がいない。
家には、「スパルタカス」の仕事で、俳優のカーク・ダグラスが出入りしているのを近所の人に見られているし、もう隠しておけない……。トランボのとった道は……。
成長した長女役のエル・ファニング。かわいい♡ トランボはほんとにいい家族に囲まれているのだ。
本人は、お風呂で脚本書いたりしてるんですけどね。笑
では、私のブライアン・クランストン愛を語らせてもらいます。
ブライアン・クランストンは、TVシリーズ「ブレイキング・バッド」で大ブレイク、ゴールデングローブ賞、エミー賞で主演男優賞を受賞しました。
手前が、ブライアン・クランストンですが、怖いですねー。がんを患っていて化学治療のため頭はスキンヘッド。家族にお金を遺したくて悪に手を染める科学の教師の役です。
が、「ブレイキング・バッド」が始まったときに私が一番に思ったのは、
「あ!マルコムのお父さん!ハルだ!」ということでした。
(手前で頬をおさえているのが、ハルこと、ブライアン・クランストン)
「マルコム in the middle」は、日本でも放送されたのですが、あまり話題にならない。でも2000年から7シーズンも続いた、大人気シットコムです。
マルコムは左上の赤いセーターの男の子。天才児なんです。彼の家族は、超強烈で支配的な母ロイス。男ばかり4人兄弟で、長男フランシスはあまりの素行の悪さにミリタリースクールに送られている。次男リースはバカだけどイタズラに関しては天才的能力を発揮する問題児。4男デューイは末っ子でしたたかな面を持つかわいこぶりっこ。
その真ん中にいていつも苦労するのが三男の天才児マルコム、という話です。
そして彼らのパパ、ハルと言えば……。まずは、ママにぞっこんほれていて、毎日2度は(*‘▽‘ *)というラブラブ夫婦。いつも明るく、子どもたちにも愛情たっぷりな父親だけど、子供たちより子供っぽくて頼りなくて、つわものぞろいの子どもたちに並ぶトラブルメーカーなのです。
これは、マルコム in the middle の映像で、ブレイキング・バッドの話にしたてたもの。うまいですね!
ブライアン・クランストンも、ハルの役はお気に入りのようです。
そして、彼らのその後を描くリユニオンにも乗り気な様子。
おっさんになった子どもたちを見たいかどうか、若干微妙ですが(笑)、このドラマは本当におもしろいので、機会があったらぜひぜひご覧ください。