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この映画観たよ。

9月に読んだ本のまとめ

今年は読書会で、国際アンデルセン賞(児童文学作家に贈られる賞)受賞作家を読んでいるのですが、このテーマの良さは英米以外の国の作家が読めるところだな~と思って読み始めたのですが、図書館に冊数が少ないせいで、その作家の代表作を読めなかったり、なかなかに満足!という感じになりません。

でも、9月はスウェーデンの作家、アストリッド・リンドグレーン。予想通りの素晴らしい本たちに出会えてよかったです!リンドグレーンのやかまし村シリーズで癒された9月でした。

 

9月の読書メーター
読んだ本の数:8
読んだページ数:1534
ナイス数:652

 

やかまし村の子どもたち (リンドグレーン作品集 (4))

やかまし村の子どもたち (リンドグレーン作品集 (4))

 

かまし村に住むリーサが語る、日々のお話。やかまし村は3軒の屋敷だけ。6人の小学校低学年くらいの子どもたち(と家族たち)。豊かな自然と子どもらしい楽しみ、幸せな田舎の生活をいつまでも読んでいたい気持ちになります。

解説にリンドグレーンには「ピッピ」のような空想物語でもなく、「カッレくん」のようなはらはらする少年小説でもない、子どもたちの日々をやさしく描いた「やかまし村」のような分野の本がある……というようなことが書いてあり、また、リンドグレーンの中では「やかまし村」が一番好き、といった友人の言葉を思い出し、なるほど~と腑に落ちた思いです。国際アンデルセン賞受賞作家の本を読んでいます。リンドグレーンが受賞した時代は作品に対して贈られたのですが、リンドグレーンの受賞作品は『さすらいの孤児ラスムス』でした。
読了日:09月02日 著者:リンドグレーン

 

 

 

やかまし村の春・夏・秋・冬 (岩波少年文庫)

やかまし村の春・夏・秋・冬 (岩波少年文庫)

 

かまし村の2冊目。この子供たちの生活が輝きに満ちているのは、何をするときもわくわく期待し、その瞬間を存分に楽しんでいる様子が描かれているからでしょうか。クリスマス、新年、赤ちゃんの誕生、おじいさんの誕生日祝いと楽しいエピソードはもちろんですが、リーサとアンナが買い物に行く話がお気に入りです。店までの道のりが遠いので、4人の大人から食料品から雑貨までたくさんの買い物を頼まれる2人。買い忘れたものを思い出しては何度も店に戻ります。「ほんとに、しっかりした子だわ。なにひとつ、わすれてこなかったものね!」
読了日:09月13日 著者:アストリッド リンドグレーン

 

 

やかまし村はいつもにぎやか (岩波少年文庫)

やかまし村はいつもにぎやか (岩波少年文庫)

 

かまし村3冊目。ちょっぴり大きくなった子供たち。なんでも楽しい遊びになる子供たちの様子が楽しくて、本当にいつまでも読んでいたくなる本だ。リンドグレーンのロッタちゃんシリーズでは、周囲の大人の寛容さを強く感じたが、このシリーズでは子どもたちの年齢がちょっと上がって、大人たちの出番は本当に少ない。でも、陰で見守っているんだろうな~と思わずにいられない。北屋敷のおじいさんがみんなに慕われている様子もとてもいい(でも、80歳なら、子供たちの年齢からするとひいおじいさんだよなー…と思ってしまう)。
読了日:09月13日 著者:アストリッド リンドグレーン

 

 

やかまし村のクリスマス (ポプラせかいの絵本)

やかまし村のクリスマス (ポプラせかいの絵本)

 

 やかまし村の絵本。物語と同じイロン・ヴィークランドの絵をカラーで見られて、やかまし村の様子がよくわかりとても楽しい。物語中のクリスマスと同様に、しょうがいりのビスケットを焼くところから始まるが、ケルスティンが大きくなっていてまた違う年のクリスマスかなと思う。ぶたのかたちのビスケットも、小鳥たちのための麦束も、子供たちが作った雪灯籠も、おじいさんのための小さなツリーも、みんな見せてもらって幸せな気分だ。
読了日:09月13日 著者:アストリッド リンドグレーン

 

 

さすらいの孤児ラスムス (岩波少年文庫)

さすらいの孤児ラスムス (岩波少年文庫)

 

 ラスムスは9歳。やかまし村(3巻目)のリーサと同い年ですが、孤児院で辛い思いをしているラスムスとリーサでは全く境遇が違い、同じ国(スウェーデン)の話か?と思ってしまいます。親になってくれる人を求めて孤児院を脱走し、出会った風来坊の男と行動を共にするうち、犯罪に巻き込まれたりなかなかスリリングな冒険物語でした。特に最後はとても温かい気持ちになることうけあい、お勧めの本です。

山脇百合子さんの解説で、ラスムスがこのようにいい子供に育ったのは、ラスムスが厳しく感じていた孤児院の先生の育て方がよかったから……とありましたが、同感です。リンドグレーンはこの話で国際アンデルセン賞を受賞しましたが、リンドグレーンの書いたものではもっと人気の話があるし、リンドグレーンは子供がとってもひどい目に合うような話は書かないんだろうな、と思いますが、子どもの辛い話や冒険物語としては世の中にもっと優れたものがある……という感じもちょっとしました。
読了日:09月17日 著者:アストリッド リンドグレーン

 

 

山女日記

山女日記

 

イヤミスが嫌いで、湊かなえさんは申し訳ないが2度と読みたくない作家の一人だったのだが、読書会の課題本になったこの本。イヤミスじゃないからと推されて読んだ。嫌な感じのOLが一人称の章から始まって、登場人物たちの生き方、人間関係に突っ込みたくなるところがたくさんあり、返って読み手を引きつける作者の手腕に脱帽する。しかし、やはり人間模様に目がいってしまい、初心者でも登れそうな山が紹介されるけど、行ってみたい気にならない。悪い先入観を持ちすぎて読んではダメですね。

 

この本は、読書会でもボコボコにされていました。比較的新しく入会した参加者は、私たちのボコボコぶりにびっくりされたようです。まぁ私たちのような読書家が何と言おうと、天下の人気作家ですからね。どうぞお許しください。
読了日:09月07日 著者:湊 かなえ

 

 

 

檸檬

檸檬

 

読友さんの真似をして、フルーツ盛り合わせごっこをしようと思いつつ、やっと桜桃からの2品目です。恥ずかしながら梶井元次郎は初読み。閉塞した、焦燥した男が果物屋で求めた1個の檸檬。私が今、レモンを手に入れれば、同じ感触、同じ香り、同じ重みを得ることができるのだなと思いながら読む。無性にレモンが欲しくなる。……でも、丸善爆破オブジェには至らないだろう。
読了日:09月09日 著者:梶井 基次郎
 

 

 

 

 

魔が差したパン: O・ヘンリー傑作選III (新潮文庫)

魔が差したパン: O・ヘンリー傑作選III (新潮文庫)

 

 O・ヘンリーのなるべく読んでない話が読みたいな~と思い、3巻目を選んでみました。訳者(で編者らしい)小川高義さんは、ニューヨークの話、テキサス他田舎の話を意識的に交互に配したそうですが、『都会の敗北』が素敵なハッピーエンドでよかったです。【O・ヘンリー誕生日読書会’17】イベント参加中
読了日:09月24日 著者:O・ヘンリー

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