「これが私の人生設計」 イタリアのコメディ映画にはずれなし!
先週までのギンレイホールはイタリア映画「これが私の人生設計」と、アカデミー賞3部門ノミネートの「ブルックリン」の2本立てでした。
やるせないノスタルジーの想いを懐いて故郷へ帰る話の組み合わせですね。
「これが私の人生設計」
オフィシャルサイト:映画『これが私の人生設計』公式サイト
IMDb:Scusate se esisto! (2014) - IMDb
日本ではロードショーになる前に2015年イタリア映画祭で上映されたそうですが、その時のタイトルが「生きていてすみません!」こちらが、原題のそのままの訳のようです。
写真右、主人公のセレーナ・ブルーノは、イタリアの田舎生まれ。小さい時のお絵かきから構造物の描写に天才的才能を表し、大学卒業後は各国の大学院で学び、建築家としてワシントン、モスクワ、北京、ドバイ、イギリス……世界各地でビッグプロジェクトを取り仕切るまでになった。
でも、ふと寂しくなってしまうんですね。大きな仕事が終わって、次はどの国の仕事をするの?と聞かれた彼女が、イタリアに帰るわ!と言うと、みんなが唖然とする。
ローマ……。仕事がないんです。やっと見つけた仕事が、内装やお墓のデザイン。貯金も底をついて、レストランのウェイトレスのアルバイトを始めます。そこのオーナーが、上の写真左、フランチェスコ。ウェイトレス全員のあこがれのまと、ハンサム、セクシーしかもとても優しい❤ 各国語を使って給仕するセレーナに興味を持ったフランチェスコはデートに誘ってくれ、セレーナは夢中に。でも彼は純粋に好意を持ってくれただけだったのです。だって彼はゲイなので。
ローマでセレーナは、自転車とオートバイのあいのこみたいな乗り物に乗っていますが、(電動式自転車のはしりなのかしら?)それはお父さんの形見でかなりのポンコツ。しかし年代物的人気があるらしく、盗まれてしまいます。乗り物を盗られて迷い込んだ公営住宅。古いものですが、大きな建造物の魅力にふらふらと入っていく彼女は、その建物の魅力と使い勝手の悪さなどに気付きます。そして、公共スペースの改善案の募集があるのを知り、応募することに。
そんな夢を追いかけているセレーナと、彼女を見守るフランチェスコは、とても仲良くなって、屋根裏みたいな部屋に住んでいたセレーナはフランチェスコの豪華な家に同居することになりました。
こんな仲良くしていても、そういう関係にはならないの。でも素敵!
こちら(右)の方が、フランチェスコの本当の恋人。
以下、ネタバレの内容になります。
公共スペースの改築案を持って、面接に向かうセレーナ。すると応募者は男性ばかり。別の女性の応募者が、どうせ採用されるのは男に決まってる!女は相手にされないの!と言うのを聞いているうち、セレーナの順番が来ます。面接官がセレーナを秘書か何かのように思い込んだのをいいことに、セレーナ・ブルーノでなく、ブルーノ・セレーナという男性の建築家の案を持ってきた、ということにすると、彼女の案が通って、建築事務所に採用になりました。
ブルーノは今、日本に行っているので……なんて言ってごまかしていたセレーナですが、スカイプで会議しましょう、みたいなことになり、セレーナはフランチェスコに、ブルーノになりすましてくれるように頼みます。セレーナのプランはうまくいくのでしょうか?
これを観て、イタリアの男尊女卑っぷりにちょっとびっくりしましたね!うかつにも、ヨーロッパはひとからげにアメリカより進んでいるように思っていました。なんだか、ポルノ女優みたいな美人の政治家もいたような気がするのですが。
今年は美人のローマ市長も誕生しました。ビルジニア・ラッジさん。
男尊女卑な仕事の現場を、ガッツで乗り越えようとするセレーナの姿に、とても励まされる……そして随所で笑える映画でした!!
私にとっては新しいイタリア映画に触れる機会は、ほんとにギンレイホールくらいしかないのです。ギンレイだからくだらない映画は来ませんが、イタリアのコメディはすごくいい!!……ので、ちょっと思い出したものをご紹介します。機会があれば、ぜひご覧ください。お勧めです。すごく笑えます。
知的と精神障害者の施設が、独立採算を求められて奮起する話。
これ、「スキヤキ」っぽいタイトルです。原題は確か「浮遊機雷」みたいなのだったかと。製麺業者の後継者問題の話。LGBTの内容も含みます。