「さよなら、人類」と「人生スイッチ」 短編集映画の妙味
先々週の分ですが、ギンレイホールで観た映画です。
その前の週の「マイ・インターン」がすごく混んでいて、来週はヨーロッパと南米の映画だからすいてるんじゃない?と思いましたが、結構混んでいました。さすがギンレイのお客さんです。
「さよなら、人類」
スウェーデン映画で、ヴェネチア国際映画祭、金獅子賞受賞ということです。おおいに期待しておりました。
スウェーデン語の原題は、En duva satt på en gren och funderade på tillvaronで、英語の題の、A PIGEON SAT ON A BRANCH REFLECTING ON EXISTENCE がたぶん原題に近い訳なのでしょう。「鳩、枝の上に佇み、人生を想う」という感じの意味かな。
セールスマンのコンビが狂言回しになっていて、いろんな人の人生の場面に遭遇するというような映画なのですが、映像がとても絵画のようにマットな感じに作られていて、美しい絵画集のような感じがしました。滑稽で物悲しい感じの絵画たちです。
北欧が舞台で登場人物は青白く、色調もグレーっぽくおさえられていました。
そして、静止画みたいになっているすきに、結構寝てしまいました。面目ないです。
「人生スイッチ」
アルゼンチン映画です。 これは、キレキレなブラックコメディの短編集でした。
アルゼンチンという国には、アメリカTVドラマのせいで、
「アメリカを逃れて楽しく暮らしたい人が行く国」
というイメージを持っているのですが、ラテン気質の激しさはなかなかですね。
6編の短編集からなるのですが、オープニングの第1話だけネタバレします。
飛行機に搭乗した美人に、通路越しに話しかける男。音楽評論家と名乗る男に、美人は私の元カレも音楽家だったわ、と言う。名前を出すと、評論家は彼のことを酷評したことを覚えていた。すると、前の座席の人が、私もその男を知っている、と話し出し、偶然のはずないわ、私も知っているものと次々にみんなが話し出す。しかも、みんな彼に恨まれるようなことをした人ばかりだ。すると、スチュワーデスが、その人は同僚です、いまコックピットへ行って、閉じこもっています!といい、飛行機は進路を曲げ急降下する。「君のせいじゃない、すべては君のご両親が悪かったのだ」と、彼の精神科医だった男が叫ぶ。飛行機は、庭先で日光浴している老夫婦の元へ向かっていた……。
食堂で働く女のところへ、忘れられない人物が客としてやってきた。
田舎の道を、高級車で疾走する男
このポスターの主役、結婚式のカップルのは最終話だが、これも大変なことになりました。おもしろかったです。
スペイン語の原題 Relatos Salvajes は、英語のWild Tales の意味のようですね。あるきっかけで、非日常へ急展開する話も多いので、日本語の題も悪くないです。
先週からちょっと多忙だったため、この2週間は素晴らしいドキュメンタリーの週替わりの3本だったのですが、見逃してしまいました。 残念。