圧倒される! 村上隆、500人のスタッフを駆使して作り上げた五百羅漢図
私にとって村上隆は、Kanye Westのジャケットが一番なじみがあるもので、
海外で評価されているイラストレーターというイメージだったので、この和風な五百羅漢図は、どんなもの?ととても楽しみでした。
携帯・スマホでの動画・写真撮り放題という太っ腹な会場!
「五百羅漢図」は、元々、日本美術史家の辻惟雄ともに美術雑誌「芸術新潮」で連載していた「ニッポン絵合わせ」が誕生のきっかけだということです。辻惟雄が、意中の絵師・作品について熱弁をふるえば、村上隆がそれに対抗して新作を描き下ろすという夢のような対決で、会場でもその対決の様子が紹介されていておもしろかったです。
その連載の詳細は、この本にまとめられているそうです。
今回の展示の目玉、五百羅漢図は、4枚の作品(青龍、白虎、玄武、朱雀)が、それぞれ縦5m、横25mという、全長100mので~っかい作品です。メイキングを見ると、それぞれの作品は、縦5m、横1mのキャンバス25枚からできています。
そのメイキング映像がすごい!細かく描かれている絵の、工程がさらに複雑なことに驚嘆します。若いスタッフ500人を動員して、羅漢図に関する下調べから、デッサンなどいろんな工程を分担しているようで、それをまとめていく村上隆は、オーケストラの指揮者のようでもあり、才能を搾取する独裁者のようでもありました。下絵・指示書の展示もありましたが、「指示書どうりにヤレ!ボケ!」(仮名で書くと「どおり」が本当)とか、「才能ねえな!」とか、「この小さな空間にキッチリドラマをブチ込め!!」とか、この指示は参考になるのか?ほんとにスタッフの力に任せてる部分が大きいんだなと感じました。このように、舞台裏も丸裸の非常に赤裸々な展示です。
しかし、出来上がった作品は、隅々まで渾身の村上隆作品!
カタールのドーハが、最初の展示会場(2012)で、それに間に合わせるよう、檄を飛ばすシーンもありましたが、一部未完成のまま展示になったそうです。
今回も未完成作品の展示がありましたが、それはわざと~というような説明もありました。
最後に、村上隆さん(1962年生まれ)の略歴ならぬ、詳細歴が展示されていて、幼少のみぎり、どんなことがあってどんなことを感じたかとか、こんなに読めないよという程詳しく書いてありました。
ショップでは、羅漢図をデザインした50万円くらいするバッグもあったり、お花のでかいクッション30万円也もありました。そのお花のクッションに座れるスペースもありましたよ~。