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1月に読んだ本のまとめ

百年の孤独』が読めて、しかもとてもおもしろかったことがうれしかった1月でした。

 

1月の読書メーター
読んだ本の数:8
読んだページ数:1895
ナイス数:783

 

 

百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez)

百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez)

 

 難解な大作というイメージがあり、メモを取りながら丁寧に読んだがとてもおもしろかった。豚のしっぽを持つ子供が生まれるよ、と言われながらいとこ同士で結婚した二人。ブエンディア家が築いた町が崩壊するまでの100年間。並外れた体格や、予知能力があるほどの明晰な頭脳、怖いくらいの美貌の持ち主……という型の人間が出る家系だが、町の外に出て活躍した人もマコンドの家に戻ってくる。そして孤独と向き合う。家族の元にいても常に孤独なのだ。現実が目まぐるしく展開し、不思議な描写が美しい。 【ガーディアンの100冊】97冊目。
読了日:01月17日 著者:ガブリエル ガルシア=マルケス

 

 

 

交換教授: 二つのキャンパスの物語(改訳) (白水Uブックス)

交換教授: 二つのキャンパスの物語(改訳) (白水Uブックス)

 

 (本当にネタバレです!)おもしろく読み、この2組の夫婦どうなるの?と思っているうちに「小説家は、終わりの近いことを物語る、残り少ないページを誤魔化すことはできないんだ(中略)だが映画の場合は……」と主人公に語らせて見事に結末を誤魔化されてしまった。訳者解説を読むと、英文学の教授であった作者は、作品についての質問にも丁寧に答えて(というより教授して)くれたらしい。ジェーン・オースティンについてもっと書かれているらしい『小説の技巧』も読んでみたい。

【ガーディアンの1000冊、96冊目】11月のイベント(コメディ)で読む予定でした

( ;∀;)

備忘に……英ラミッジ大学(バーミンガム大学)のイギリス人教師フィリップ・スワローと、米ユーフォリア州立大学(UCバークレー)のアメリカ人教師モリス・ザップは交換教授となって、6か月互いのキャンパスへ赴任する。1969年はアメリカで学生運動が起こった年。スワローは学内のごたごたに巻き込まれつつ、ザップと離婚しようとしている妻デジレの家に同居することに。ザップは家庭料理を求めて(笑)スワローの妻ヒラリーの元に近づく。書簡体、記事、脚本の形式も交えて書かれたコミック・ノヴェル。皮肉屋のデジレが好きだな!
読了日:01月02日 著者:デイヴィッド ロッジ

 

 

 

新装版 たのしいムーミン一家 (講談社文庫)

新装版 たのしいムーミン一家 (講談社文庫)

 

 ムーミンのアニメを見て育ち、本の方は意外と難しいなと子供心に思ったのを覚えていますが、本を読んだのはいくつの頃かよく思い出せません。たぶんだいぶ小さかったのでしょう。うろ覚えだった登場人物たちが懐かしく、人間でない生き物たちの日常や冒険が楽しく、不思議な世界を堪能しました。

国際アンデルセン賞受賞作家の本を読んでいます。

読了日:01月04日 著者:トーベ・ヤンソン

 

 

 

サイモンは、ねこである。

サイモンは、ねこである。

 

 ころっとしたねこのサイモン。ライオン、チーター、ピューマクロヒョウ、トラにむかって「ぼくたち、にてますね」と言うと、大きい動物たちは大笑い。違いがあって、 似たとこもある。じゃれあって遊び、固まって眠る姿がとてもいい。
読了日:01月12日 著者:ガリア バーンスタイン

 

 

 

にいさん

にいさん

 

 ゴッホの色使いと、いせひでこさんのやさしい筆致。美しい絵の中に、赤毛の兄と金髪の弟、2人の少年の姿が描かれています。今ゴッホの絵と対峙すると胸をわしづかみされるような魅力を感じますが、それも価値あるものとしてゴッホの絵に出会っているから。その価値が認められるには、兄弟の短い生涯より長い時間が必要でした。ゴッホ兄弟に魅せられて研究を続けてきたいせひでこさんの力作です。
読了日:01月14日 著者:いせ ひでこ

 

 

 

 図書館に予約してやっと順番が回ってきました。6巻までに人間関係が複雑になっていたのを、半分忘れてしまっていたのに、この巻を読めば思い出せるようにわかりやすく書いてありとても親切^^。因縁の母娘、最後の対決の舞台はシェークスピア。ファースト・フォリオとかファクシミリとか、所有者が装丁し直す話とかがとても興味深くて、わかりやすくエンタメにしてくれる作者の力量を感じます。キャラ読みとしてはうぶな二人の間に障壁もなく、今回は本の話が勝っているように思いました。最終回おもしろかったです。
読了日:01月20日 著者:三上 延

 

 

 

しんせかい

しんせかい

 

 山下さん初読みだが、繰り返しの多い頭の悪そうな文体は意図的なものか?読みにくいなと思いながら読んだ。俳優、脚本家を志望する若者が集まり、北海道の農村で働きながら【先生】の指導を受ける養成所。2期生の主人公の最初の1年間。主人公の目にするものを訥々と語り、登場人物たちの感情や内面はあまり描かれない。意図的なものだろうが、富良野塾倉本聰ということを前提にしないで読んでも成立する小説だろうか?富良野塾選考試験のため上京した夜を描いた掌編はちょっとおもしろいのだが、なんだか腑に落ちない気分が残った。

第156回芥川賞(2016年下半期)受賞作。
読了日:01月23日 著者:山下 澄人

 

 

 

たぬきのたまご (ジュニアポエムシリーズ)

たぬきのたまご (ジュニアポエムシリーズ)

 

 子どもが読んでもとてもおもしろい詩集。おかあさん/きぼう/たぬきのたまご、の3章。言葉遊びがおもしろくてふき出す楽しい詩が多いが、おかあさんの詩には切なさが混じるものが多い……。以下は内田さんのコラム(本書には載っていません)から(要旨)。

最上一平さんに「たぬきは卵を産まない」と叱られたが、いつか長新太さんに「タヌキは卵産みますよね」といったら、即座に「ニワトリも産みます」といわれた。長さんの方が読書家ではないだろうか。そんな最上さんがこの本を絶賛して「巻頭の詩「とぐろ」は絶唱です。内田さんは天才です」と。

内田さんのコラムもどこまで冗談か本当かよくわかりません(笑)。自分で詩集を編むと、どうしてもアホな詩をはじめに置いてしまう。今回版元に任せたら評判がいい……ということで、最上さんが目には涙まで浮かべて褒めたという巻頭詩「とぐろ」 

  へびはおかあさんをしらないから/ときどきじぶんをだきしめてねむる

「さびしさ」という詩は、あざらしとくじらが母を呼ぶのを聞き、卵から生まれて母を知らないうみがめの心に寂しさがあふれるという内容で、それを思うとたぬきのたまごという一見ふざけた言葉にも複雑な思いが感じられるのだ。

 

長新太さんのお答えは、「ニワトリも卵を産みます」という意味か、それとも「タヌキはニワトリも産みます」という意味なのかしら?と思ってしまい、しかもその答えを聞いた内田さんが、長新太さんをなぜ「読書家」と評価しているのかも良くわからず、タヌキならぬきつねにつままれた感があります。
読了日:01月23日 著者:内田 麟太郎