10月に読んだ本のまとめ
今ごろすみません u_u
10月に読んだ本では、『スローターハウス5』がよかったです。
映画も観たいよう。
10月の読書メーター
読んだ本の数:9
読んだページ数:2168
ナイス数:750
スローターハウス5 (ハヤカワ文庫SF ウ 4-3) (ハヤカワ文庫 SF 302)
- 作者: カート・ヴォネガット・ジュニア,和田誠,伊藤典夫
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1978/12/31
- メディア: 文庫
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おもしろかった……。ドレスデン爆撃を生き残った男ビリー・ピルグリムは、時間旅行者でもあって、自分の誕生から死までを繰り返しランダムに体験している。でもそれは想像を絶する厳しい戦争体験を、SFの要素を交えて少しずつ語っているように思えた。召集されてヨーロッパに送られたアメリカ人が、部隊の壊滅から逃亡、投降、厳しい捕虜生活からドレスデン爆撃を生き残る、という体験は作者のものでもあるらしい。反戦争の視点による、厳しいアメリカ批判も随所にちりばめられているようで、現代の警鐘にも思える。
【ガーディアンの1000冊9月イベント】で読みました。94冊目です。
読了日:10月02日 著者:カート・ヴォネガット・ジュニア
シャーロック・ホームズと切り裂きジャックの対決を記す、ワトソン医師の未発表の原稿が、エラリー・クイーンの元へ届けられた……という豪華な設定。ホームズも切り裂きジャックも研究者が多いので、ツッコミどころは多いのだろうと思いますが、とても楽しく読めました。エラリー・クイーンがとても久しぶりで、かっこいい名探偵の相棒はお父さんの警視だったなぁ……なんて懐かしかったです。切り裂きジャックのドラマを観始めたので、関連小説を探したら山のようにありました。未解決事件恐るべし。【オール・ハロウズ・イヴ読書会】
読了日:10月03日 著者:エラリイ・クイーン
読書会のために再読。やはり大好きな本だ。オビエリカ「白人ときたら、まったくずる賢いやつらだよ。宗教をひっさげて、静かに、平和的にやって来た。われわれはあのまぬけっぷりを見て面白がり、ここにいるのを許可してやった。しかしいまじゃ、同胞をかっさらわれ、もはやひとつに結束できない。白人はわれわれを固く結びつけていたものにナイフを入れ、一族はばらばらになってしまった」……そしてアフリカの困難は今日まで続いているのだ。
読了日:10月13日 著者:チヌア アチェベ
- 作者: アニー・M.G.シュミット,フィープヴェステンドルプ,Annie M.G. Schmidt,Fiep Westendorp,西村由美
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2004/06/23
- メディア: 単行本
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イップとヤネケはお隣同士。まだ字が書けないくらいの小さい男の子と女の子。毎日2人で遊ぶ、短いお話が続きます。オランダで1952年から始まった新聞連載。当時の新聞印刷技術を考慮して考え出された影絵姿の2人はオランダで人気のキャラクターとなっているそうです。自然が豊かで動物がいっぱい出てきて、見守ったり手助けしてくれる両親たちがいる2人のお話を、とても楽しく読みました。国際アンデルセン賞受賞作家の本を読んでいます。
読了日:10月16日 著者:アニー・M.G. シュミット
パン屋のこびととハリネズミ: ふしぎな11のおとぎ話 (児童書)
- 作者: アニー・M.G.シュミット,たちもとみちこ,Annie M.G. Schmidt,西村由美
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2013/11/13
- メディア: 単行本
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短編集。表題作、丸めたパン生地が次々にハリネズミに変身!先に読んだ『イップとヤネケ』で、野生のハリネズミを飼いならすエピソードがあって、ハリネズミって身近な動物なのね~と思います。テーマにまとまりがない『氷女』がおもしろくて、ちょっと杜子春が混じった『天国のトランペット』もよかったです。「高く、くっきりとして、同時にやわらかく、ふんわりとかろやかな美しい音色」という描写が繰り返し出てきて、その音色を聞いてみたい憧れが胸に残ります。
備忘録、『氷女』のネタバレです。美容師の男、冷凍倉庫へ見学に行くと中で迷って、気づくと「ヒンヤリおばさん」に助けられている。連れてこられたのは氷人間の町。白い氷女たちと働く雪だるまがいる。美容師はそこで氷女の髪を結い続けるうちに、若い氷女シャーベットと恋に落ちる。ふたりで逃げ出して元の世界に戻ると、シャーベットは解けてしまう。悲しみ叫ぶ男……でもすぐに立ち直る。とてもげんきん。冷蔵庫の中からヒンヤリおばさんの手が出てまた戻されそうになるので、冷蔵庫を売り払い、凍った食べ物はすべてきらいになった。
国際アンデルセン賞受賞作家の本を読んでいます。
読了日:10月19日 著者:アニー・M.G. シュミット
- 作者: アニー・M・G・シュミット,フィープ・ヴェステンドルプ,西村由美
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2011/07/23
- メディア: 単行本
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国際アンデルセン賞受賞作家、アニー・M・G・シュミットの作品を続けて読んでいます。この本は長編で、おもしろい!感想は下巻で。
読了日:10月19日 著者:アニー・M・G・シュミット
とってもおもしろかったです!プルックは赤いクレーン車に乗ってやって来たひとりぼっちの男の子。家を探して、ペテフレット荘の塔の部屋に住み始めます。ペテフレット荘は、店舗なども入っている大型高層マンションです。コオロギ、ハト、人間たちの友人がすぐできて、楽しく暮らします。いろんな事件が起こり、プルックと仲間たちの活躍で幸せな結末を勝ち取ります。いろんな敵がいるんです。
思いやりがあってやさしいプルックですが、していることは犯罪ギリギリです。いや犯罪か……。児童文学の新しい主人公像…… one of those kind-hearted but serious rebelsと言われるそうです。反体制派の活動家といったところでしょうか。小さいクレーン車を乗り回し勇気のある男の子ですが、いったい何歳くらい?と思って読んでいたところ、作者のアニーが「私自身がずっと八歳の子どもでしたから」と言っているそうで、8歳なんですね。下巻の訳者あとがきで、作者について詳しく書かれています。
読了日:10月19日 著者:アニー・M・G・シュミット
人里離れた寂しい古城、美しい令嬢の元に現れる、高貴な身分の不思議な娘、それは美しき吸血鬼。女性の語り口で語られる話は、美しくおどろで、初めからわかってるじゃない…とつっこみたくなるようなストーリーだが、引き込まれて読めた。「吸血鬼が特定の人に執着していく過程は、恋心によく似ている」という。カーミラが恋心に、(または食欲に?(;・∀・))身もだえしている様子はちょっと切ない感じも。吸血鬼の古典名作を読めてよかったです。
読了日:10月21日 著者:ジョゼフ・シェリダン・レ・ファニュ
美しいが狂気を忍ばせたクレオール白人の女性の不幸な生い立ちから始まり、イギリスから植民地におちてきた名家の次男との金と愛と憎しみに満ちた結婚……。色彩に満ちたカリブ海の島国の美しさと涼しいイギリスへの憧れ。「ジェーン・エア」では化け物のように描かれていたロチェスターの前妻の話だが、ポストコロニアリズム、フェミニズムの問題を含み、この背景がとても興味深いのでした。植民地や現地人への偏見のひどいことは、この時代の一般的な認識だったのだなと思いますが、先に入植したクレオール白人への差別ひどい。
元の原住民はヨーロッパからの入植者により絶滅させられていて、現地人の大半はアフリカから連れてこられた黒人たちだ。クレオール白人は奴隷を使い財を築いていたが、奴隷解放令(1834年)後は、財産を失い奴隷を使っていたことで蔑まれる。作者ジーン・リースの曽祖父が当時の大農園主で、その若い妻がアントワネットの母のモデルであるという。ドミニカで生まれ、16歳でイギリスに渡ったのち、ヨーロッパを放浪してイギリスで亡くなった作者も帰属する国を持ち得なかった。興味深いなー。
【ガーディアン10月イベント】で読みました。95冊目です。
読了日:10月30日 著者:ジーン リース