rocorinne bookworm

INPUTして、OUTPUT。

6月に読んだ本のまとめ

もう7月が終わってしまう……!こう暑くなってくると6月は大昔のようですが、6月に読んだ本のまとめです。

 

6月の読書メーター
読んだ本の数:10
読んだページ数:2870
ナイス数:691

 

 

先月はいい本がたくさん読めました。『肩甲骨は翼のなごり』を一番にしますが、他の本も僅差でつけています!読書メーターではこの頃まとめのつぶやきに加えて、観た映画の画像もまとめているのです。本当は全部ブログに感想が上がっているはずの……。

 

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写真下段は、6月に映画館で観た映画です。上段は、もうすぐ始まる新シーズンに備えてシーズン1から復習してしまった「ゲーム・オブ・スローンズ」です。後半はこれのせいであまり本が読めませんでした(*_*)

 

今年は読書会でアンデルセン賞受賞作家を読んでいるのですが、先月はイギリス人作家、デイヴィッド・アーモンドの『ヘブンアイズ』が課題本でした。この機会にデイヴィッド・アーモンドを3冊読みましたが、代表作の『肩甲骨は翼のなごり』が一番面白かったです。

 

肩胛骨は翼のなごり (創元推理文庫)

肩胛骨は翼のなごり (創元推理文庫)

 

 この本にありきたりでない素晴らしさを感じるのは、現実とファンタジーが境目なくつながっている感が秀でているからだと思う。マイケルは新しい家に引っ越してきた。生まれたばかりの妹は重い病気だ。崩れそうな納屋には死にかけた男が住んでいる。隣家の少女ミナはホームスクールで、マイケルの知らなかったことに目を向けさせてくれる。元の学校生活……サッカーが好きな明るい少年にはなかなか戻れない。邦題が秀逸だ。骨……。男の肩甲骨。妹の肩甲骨。そこに命の手触りを感じるマイケル。アンデルセン賞受賞作家の作品を読んでいます。
読了日:06月14日 著者:デイヴィッド アーモンド

 

 

ヘヴンアイズ

ヘヴンアイズ

 

 孤児院に住む3人が筏(いかだ)に乗って脱走する。脱走は何度もしてるけど筏は初めてだ。筏がブラック・ミドゥン(黒い泥沼)にはまってしまったとき、不思議な少女が現れる。人は何か拠り所を求めずには生きていけないものなのだろうか。あたり前にあるはずのものが失われているときに、なおさら強く求めずにはいられないものなのだろうか。現実と不思議が交錯する場所と登場人物たちの抱える切なさが、やさしいトーンで描かれる。デイヴィッド・アーモンド(英)国際アンデルセン賞受賞作家の本を読んでいます。
読了日:06月13日 著者:デイヴィッド・アーモンド 

 

 

デイヴィッド・アーモンドの魅力は日常から境目なくつながっているファンタジーの世界が魅力だと思うのですが、次の物語にはファンタジーの部分はありません。『肩甲骨は翼のなごり』から12年後に書かれたスピンオフ作品、ミナを主人公にした物語です。

ミナの物語

ミナの物語

 

『肩甲骨は翼のなごり』のミナの物語だ。マイケルが出会うミナは賢くしっかりした女の子。だが、家で勉強するようになるまでミナには葛藤があった。とても頭がいいのに、先生の指示に従えず薬を飲むように言われたりする。そこを無難にスルーできず、なかなか友達が作れないミナには多少の問題があるのかもしれない。彼女の綴る日記が独特で素晴らしい内面世界を表している。父を早くに失くしているミナだが、とても理解がある母の愛情に恵まれている。友達を求める気持ちが強くなって、マイケルに話しかける最後はうれしくなっちゃっいます。

教師たちはミナの視点から無理解な能無しのように描かれているが、デイヴィッド・アーモンド自身は作家になる前に教師をしていた。特別支援クラスを教えていたこともあるそうだ。国際アンデルセン賞受賞作家を読んでいます。
読了日:06月16日 著者:デイヴィッド・アーモンド

 

 

 『ジャングル・ブック』を読んだ時から、キプリングのこの作品が読みたかったのです。

少年キム(上) (岩波少年文庫)

少年キム(上) (岩波少年文庫)

 

19世紀後半のイギリス統治下のインド。イギリス人の両親を持ち、幼いうちから孤児となった少年キムは、自らの才覚でラホールの町で生きていた。「世界の友」と呼ばれ、密書を配達するのは得意技だ。チベットから来た仏教のラマ(導師)と出会い、ラマの弟子となり旅に出る。人種や宗教が混在する当時のインドの様子がにおいまで伝わるような描写で描かれます。下巻に続きます。
読了日:06月01日 著者:ラドヤード・キプリング

 

 

少年キム(下) (岩波少年文庫)

少年キム(下) (岩波少年文庫)

 

ラマ(仏教の導師)の弟子となり旅をする一方、アイルランドの連隊に同胞の遺児であることを見出され、学校へ入れられるキム。ラマは大金を用意してキムの学費を出す。イギリス人の学校で学びながらも、インド人の心を忘れないキムは、最高のスパイになる資質を得た。当時はグレート・ゲームの最中だ。おもしろい本なのだがなかなか読み進められなかったのは、物語の舞台の複雑さ、スパイ稼業とラマを取り巻く環境の隔絶したものが一緒になっているとこ。でも、これが混ざってて大丈夫なのはいかにもアジア的寛容さなのかな。

グレート・ゲーム」というのは、中央アジアの覇権を巡るイギリス帝国とロシア帝国の敵対関係・戦略的抗争を指すもので、この作品から広まり歴史用語として定着したそうだ(ウィキより)。グレート・ゲームに参加できるとわくわくするキムだが、読み応えがあるのはインドの町々。魅力的な登場人物たち。ラマとの友情や、献身の部分だ。ヒンドゥーイスラム教徒の間でも、どこへ行ってもラマは托鉢でもてなされる。批判されるような帝国主義的物語とはあまり感じなかった。

【ガーディアンの1000冊、5月イベント】で読みました。5月中にさえ読み切れず、またここでこっそり申告しておきます。90冊目。
読了日:06月06日 著者:ラドヤード・キプリング

 

 

祖母の死から数か月、アルベルチーヌの訪問を受け親密になる。ステルマリア夫人に期待してすっぽかされる。あれほど恋い焦がれ、今はどうでもよくなったゲルマント公爵夫人のサロンに招待され、ちやほやされる。シャルリス男爵にねちねちされる。容姿と才気と自信に満ちた会話と態度を持つゲルマント公爵夫人に感嘆はするものの、たぶん主人公とは違う意味でオリヤーヌにちょっと失望してしまった。主人公がシャルリス男爵のシルクハットをボコボコにするという、超レアなアクションシーンがありました。
読了日:06月10日 著者:プルースト

 

浮雲 (新潮文庫)

浮雲 (新潮文庫)

 

 読書会の課題本として読みました。林芙美子を読むのは初めてです。ゆき子は戦争時代を仏印農林省の事務員として過ごし、同じく農林省の役人として配属されていた富岡と出会う。フランスの文化が入った南国はロマンチックな舞台として二人の心に残った。戦後それぞれ無事に引き上げた二人、ゆき子は富岡を求めるが、富岡には家庭があり仕事がうまくいってない。フェロモン、ダメ男の富岡と、ゆき子のドロドロした関係が細部までリアルに描かれて、作者の執念を感じる大作だ。(……しかしちょっと好感は持てない。)

読書会のお散歩で新宿中井にある林芙美子記念館の見学に行きました。竹林に囲まれた広い敷地に、家を建てるまでに建築に関する本を200冊読んだ、という林芙美子の女ならではの工夫に満ちた日本家屋を見学しました。なんにでも全力投球な人ですね。若くして過労死的な最期を迎えたことを知りました。とっても素敵なボランティアガイドさんに案内してもらいました。 映画の「浮雲」は今でも評価の高い作品だそうですね。今度観てみようと思います。
読了日:06月19日 著者:林 芙美子

 

 

怪物はささやく (創元推理文庫 F ネ 2-1)

怪物はささやく (創元推理文庫 F ネ 2-1)

 

 少年の元にイチイの木の怪物がきて謎をかける。闘病中の母。気の合わない祖母。離婚した父はアメリカへ渡り、新しい家族のほうが大事そうだ。学校ではいじめっ子に狙われている。そんなすべてより怖い少年の悪夢。苦しい状況に向き合うのに、これほど苦しい思いをしなければいけないのか。怖くて美しいイラストとダークファンタジーで語られるが、苦しくて仕方がない物語でした。でも、映画も観てみたいです。
読了日:06月22日 著者:パトリック・ネス

 

 

桜桃

桜桃

 

 夏、授乳中で暑ければ、胸の谷間にひどい汗をかく。 それを「お乳とお乳のあいだに、……涙の谷……」と言う妻。「涙の谷」という言葉に妻のあてこすりを感じてひがむ夫。金をつかみ、仕事部屋へ行くように荷物を持って、女のいる飲み屋へ直行だ。出された桜桃を、子供たちに食べさせたら喜ぶだろう、と思いながらまずそうに食べる父。ダメ男を自覚していて苦しさごとさらけ出す。さくらんぼの蔓を糸でつないで首飾りにして遊んだのは誰だろう?今年初の佐藤錦をいただいて、桜桃忌にダウンロードして放置してたこの本を思い出しました。
読了日:06月29日 著者:太宰 治

 

 

背徳者 (岩波文庫)

背徳者 (岩波文庫)

 

序文や冒頭の書簡から、背徳者と呼ばれるどんな悪いことをしたのか……?と妙に期待しながら読んだため、すごく悪いことな感じを得ずに読み終えてしまった。これではちゃんと読めたとは言えないのでは……。死病から立ち直り、かわいい男の子がいるとすぐに目をかけてしまうミシェル。望まずに結婚したマルスリーヌだが、献身的に看病してくれた妻を愛しく思い、妻の妊娠に将来の幸せと束縛を同時に感じていく。春の喜びを感じてありったけの巴旦杏を買って帰り家中に飾るミシェルと、その香りの強さに耐えかねるマルスリーヌの場面が印象的でした。

【ガーディアン6月イベント】で読みました。G1000の91冊目。

ミシェルとマルスリーヌが短期間パリに居を構え社交生活を送り、疲れ切ってしまう様子が書かれている。2年越しにプルーストを読んでいる途中なので、同時代の作家が描く社交界の様子が興味深かったです。
読了日:06月30日 著者:アンドレ・ジイド

 

 



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