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rocorinne bookworm

INPUTして、OUTPUT。

11月に読んだ本のまとめ 『少年は残酷な弓を射る』に圧倒されました。

今月は、忘れていたほど前に予約をしていた『鹿の王』が来たので、読書会の課題本や、読書メーターのイベント本を読むのに、スケジュールを立てて一生懸命読みました(;´・ω・)

先月より冊数は少ないですが、ページ数は全然多いはずです。

 

今月の一冊は、『少年は残酷な弓を射る』にします。この本は、妻から夫への書簡の形でつづられているので、一人称=饒舌な本だ。しかし読み進むにつれ、この手紙は出されなかったに違いないという気持ちがわいてくる。知的な彼女がいろんなことを深く掘り下げている内容を、常識的で単純な夫が理解できるわけない、と思えてくるからだ。この女性、この息子について、いろいろ考えてしまう。彼女サイドの話だけなので、全て彼女の妄想だとすることさえできる。正解があるわけではないのに、考えさせられてしまうお話でした。

 

一方、ティルダ・スウィントン VS エズラ・ミラーの映画もあって、そちらの方は映像が中心で言葉が少なく、本とは対照的なつくり。夫にはもっとマッチョなハンサムを期待したけど、母と子の二人は最高でした。 

少年は残酷な弓を射る [DVD]

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11月の読書メーター
読んだ本の数:12
読んだページ数:3812
ナイス数:835

 

 

少年は残酷な弓を射る 上

少年は残酷な弓を射る 上

 

エヴァが別れた夫フランクリンに書き続ける手紙の形で話は進み、最初の手紙で彼らの息子ケヴィンが生徒7人大人2人を殺す事件を起こしたことを知る。エヴァは自分で立ち上げた会社のCEO。ガイドブック作成のため世界を旅行するのが仕事で、知的で感受性豊かな女性だ。フランクリンはフリーランスで広告のロケハンをしている。筋トレをかかさないイケメンだ。子供がいないときの二人の幸せそうな様子、ケヴィンが生まれてからのエヴァの苦闘と対立が書かれて、次子もできて、下巻に続くのが怖い!

【ガーディアンの1000冊、11月イベント】

読了日:11月25日 著者:ライオネル・シュライヴァー

 

 

少年は残酷な弓を射る 下

少年は残酷な弓を射る 下

 

圧倒された……!下巻の初めに、フランクリンとシーリアが一緒にいる、とあってちょっとほっとしたのに(T_T)。子供を産んで愛情に満たされる、生まれて母を求める、自然の摂理にかなったこの感情を持てなかった二人はどことなく似た者同士だ。常にケヴィンの側に立ちかわいがってきた父親が少しも彼を理解できなかったのに比べ、エヴァはケヴィンの邪悪さも賢さもよくわかっていた。ロマンティックな邦題はどこから来たのかと思っていたら、まんまだったとは。原題 ( We Need to Talk about Kevin ) も悲しみを誘う。もう、どこにもWEはいないのだから。

【ガーディアンの1000冊、11月イベント】81冊目
エズラ・ミラーとティルダ・スウィントンの映画は、Amazonプライムビデオになっているので、今晩観ちゃおうかしら……?

読了日:11月25日 著者:ライオネル・シュライヴァー

 

 

花筐―はなかたみ 檀一雄初期作品集 (1975年)

花筐―はなかたみ 檀一雄初期作品集 (1975年)

 

初期短編集。表題作は3人の男子学生を描いたもので、3人それぞれの特別感、美しさ、傷つきやすさ、劇的な展開と、とても魅力的な作品だ。他の作品は、自意識の塊のような気の弱いダメ男が最低なことをする話が多く、檀ふみパパって大丈夫だったのかな?って思ってしまう。笑 『夕張胡亭塾景観』は昭和10年(第2回)芥川賞候補になった。『花筐(はながたみ)』は、大林宣彦監督が唐津を舞台に映画を撮り、来夏公開予定。 

読了日:11月03日 著者:檀 一雄

 

 

保養のために祖母とバルベックを訪れた私。初めは保養地での社交生活における自分の地位のなさに悶々とするが、青年貴族サン・ルーと親しく付き合うようになり、保養地でひときわ目立つ乙女たちのグループとも懇意になる。サン・ルーにしても、少女たちにしても、会っているときより知り合う前や、一人で思い返しているときの方がより楽しいぼくちん。画家エルスチールの登場が私にはとてもよくて、目の前にしていない絵画の魅力に深くおぼれた。

読了日:11月10日 著者:プルースト

 

 

猫 (中公文庫)

猫 (中公文庫)

 

寺田寅彦「子猫」が自分の課題本なのだが、クラフト・エヴィング商會の編集・装丁なので最初から味わって読んだ。昭和30年に編まれた本のリニューアルだという。著名な作家などが自分の猫体験を語る。猫の方が飼い主と言い張って、猫を甘やかしている坂西志保。猫以上のわがままおじいさん谷崎潤一郎は、猫にも美貌を追求。大変な猫のお産体験を語る寺田寅彦は「猫に対して感ずるやうな純粋な温かい愛情」を人間に対して懐く事が出来ないという。柳田國男先生は猫の民族史をご教授くださる。ふと猫が飼ってみたくなるのでした。

読了日:11月13日 著者:大佛 次郎,有馬 頼義,尾高 京子,谷崎 潤一郎,井伏 鱒二,瀧井 孝作,猪熊 弦一郎

 

 

ふたりのロッテ (岩波少年文庫)

ふたりのロッテ (岩波少年文庫)

 

この本は子供の頃に1度、大人になって再読するのも2回目。昔もわくわく読めたが、今読んでもとてもおもしろい。お転婆なルイーゼになりすましたしっかり者のロッテと暮らし始めて、父は家が居心地が良くなったことを知るが、干渉されることも厭う。ウィーンの常任指揮者で作曲家の父。「子どもの涙はなんと役に立つことか!そう、芸術家なら利用しない手はない!」こんな小さな子供を泣かせるなんて……と思いながらも、子供の歌の短調の部分を完成させてしまう。ロッテの奮闘と、芸術家父のわがままぶりがとくにおもしろかったです。

読了日:11月14日 著者:エーリヒ ケストナー

 

 

ねずみと猫

ねずみと猫

 

クラフト・エヴィング商會の短編集『猫』所収の、寺田寅彦の『猫』が、この作品の後半部分であることを知り、前半のねずみの部分も読みました。ねずみが出ないようにと念を入れて新築させた家だが、案の定ねずみは出てしまう。科学者らしい考察も加えつつ、家族内で一人ねずみと戦う寅彦先生。害獣でありながら捕まえてみると「かわいらしい子ねずみ」を「幼少なものの柔らかな頭(先生の子供達)」の目の前で縛り殺してしまったことに悶々とする。「死の現象」を「これくらいの小動物の場合」で考えるのが適当なのかとも。名文家だと思う。

読了日:11月14日 著者:寺田 寅彦

 

 

鹿の王 (上) ‐‐生き残った者‐‐
 

おもしろいです。 上橋流、ていねいに構築された世界観の上で、二人の主人公の話が交互に語られる。岩塩鉱の中でただ一人、黒狼熱病に生き残った男、ヴァン(と幼女)。黒狼熱病で失われた古い王国の生き残りが築いてきた学問の聖地で、天才的な才能をみせる医術師、ホッサル。黒狼熱病の謎が次第に明かされていき、二人が出会うのが待ち遠しい!(出会うよね!?)下巻へ急ぎます!

読了日:11月16日 著者:上橋 菜穂子

 

 

鹿の王 (下) ‐‐還って行く者‐‐
 

 上橋ワールドにしばし没頭し、楽しい読書時間を持てました。願わくば地図もつけてほしかったかなぁ。すごい野心家とかすごく悪い人とかそういう魅力ある人物を欠いているので若干の物足りなさも感じ、最後の標的はそこですか!?と、どんでん返しのために作られた設定のようではあったが、ここは素直に楽しんで、ユナちゃんやサエさんが犬に戻りそうになるヴァンを、どうどうとなだめているような楽しい後日譚を想像したいです。図書館に予約をかけたのはいつだったか……。やっと回ってきて読めました。

読了日:11月18日 著者:上橋 菜穂子

 

 

あらまっ!

あらまっ!

 

読み語りしてもらいました。パトリックはおばあちゃんの家に初めてのお泊まり。パトリック「ベッドなんてどこにもないよ」おばあちゃん「あらまっ」庭の木を切って組み立て、ペンキを塗ってベッドを作るおばあちゃん。「でも、まくらなんてどこにもないよ」おばあちゃんは鳥小屋へ飛んでいきます。この本は、読み語りでよくつかわれ、読み手はおばあちゃんの「あらまっ!」の声を大げさに読んだり工夫すると、すごく受けるそうです。

作者が読み語りしてくれます。「あらまっ!」の原文は、「 What!? 」です。

What?! funny picture book reading for kids - YouTube

翻訳は詩人の石津ちひろさん。英語もフランス語も翻訳しているんですね。すごい!
読了日:11月17日 著者:ケイト ラム

 

 

美しさと哀しみと (中公文庫)

美しさと哀しみと (中公文庫)

 

代表作、というと若い時の作品がまず出てくるのは、書き続けている作家、歌い続けているアーティストにとって嫌なことなんだろうと思っていたが、こんな明らかな私小説である場合、本人たちのその時間が美しい結晶になっていたり、作家の家族にとってはその後の生活をずっと支えてきた資産であったりするんだな、と思いました。ところどころぐっと引き込まれるところもあったが、どの登場人物にも好感が持てず、特に美女二人が気持ち悪く、いやな大人の本を読まされたような、子供っぽい感想を持ちました。

【ガーディアンの1000冊、やっと80冊目】

読了日:11月21日 著者:川端 康成

 

 

リップヴァンウィンクルの花嫁

リップヴァンウィンクルの花嫁

 

岩井俊二さんは、映画も本も含めてこれが初めて。来週、この映画を観る予定なのでちょっと本を先に読んでみようと思った。前半、主人公がひどい目に合うので段々読むのが嫌になったが、どん底を過ぎるとなかなかいい展開に。黒木華さんは主人公のイメージにぴったりだ。映画を観るのが楽しみ(^^♪

ネタバレの内容です。この人が悪いことを仕掛けているのでは……といやな気持で読んでいたのに、想像を超える以上にいやな仕掛けをしていたのに、それが許せてしまう、魔法にかけられたようです。

読了日:11月27日 著者:岩井 俊二

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