rocorinne bookworm

この映画観たよ。

「リップヴァンウィンクルの花嫁」 黒木華を食べたくなる。

12月9日までのギンレイホールは、岩井俊二監督の「リップヴァンウィンクルの花嫁」と 是枝裕和監督の「海よりも深く」の邦画2本立てです。

ギンレイホールでは、邦画の上映が少ないので、邦画というだけの共通項でもいいようですが、人気監督2人の作品、ともいえるし、偽の/壊れた家族の物語とも言えなくないかな。

 

リップヴァンウィンクルの花嫁」

 


黒木華、綾野剛ら出演!映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』予告編

 

リップヴァンウィンクルの花嫁
2016年 日本
監督・原作・脚本 岩井俊二
キャスト
黒木華 皆川七海
綾野剛 安室
Cocco 里中真白
原日出子 鶴岡カヤ子
地曵豪 鶴岡鉄也
上映時間 180分
映倫区分 G

オフィシャルサイト:映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』公式サイト

IMDbRippu Van Winkuru no hanayome (2016) - IMDb

邦画なんですけど、IMDbのデータ力はすごいので、一応リンクを載せておきます。

 

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この映画がギンレイの次の上映と知って、先に原作本を読みました。恥ずかしながら(*‘ω‘ *)映画、本ともに、岩井俊二さんは初めてです。 

本を読みながら、主人公の若い女性がだんだんひどい目に合っていくので、読むのが嫌になってきて、そんなことを(別の本の)読書会でぼやいたら、友人が「岩井俊二さんなら、嫌な話には絶対ならないから大丈夫」と太鼓判を押してくれたので読み続けました。笑 

本はなかなかよくて、予想した以上のひどいことが仕掛けられていたのに、それを許せて、しかも明るい未来が望めるような終わり方。魔法にかけられたようでした。

 

 

さて、映画です。

主演の黒木華(くろきはるさん「はな」かと思っていました^^;)は、元々岩井監督に見出された女優さんだそうですね。

eiga.com

本を読んでいるときから、黒木華ならぴったり!と思っていましたが、本当にぴったりでした。

 

大きな声が出せずに派遣の臨時教員も首になってしまうような、おとなしい娘、七海(黒木華)。ネットで知り合った彼となんとなく付き合うが、経済的な安定を求めてプロポーズに応じてしまう。しかし、彼女は自分の両親が離婚していること、学校を首になったことを結婚相手に言い出せずにいた。結婚式で、彼女側の参列者が少ないと言われた七海は、ネットの書き込みから知った、何でも屋の安室(綾野剛)から、結婚式出席者の代理サービスを持ちかけられる。安室行舛。(アムロ行きます!笑 という偽名なのだ)

 

専業主婦の日々が始まるが、家の中でピアスの片方を発見。七海は安室に浮気調査を依頼するが、夫と姑から逆に浮気を疑われ、両親の離婚のこと、結婚式を代理人に出席させたことを責め立てられて家を追い出されてしまう。

 

呆然としたままスーツケース2個を引きずり、あてもなく歩く七海。安室からの電話に号泣してしまう。たどり着いたホテルに泊まり、そこで働き始める七海だった。

 

以下、ネタバレの内容になります。(本の内容が混ざってしまうかも(*‘ω‘ *)ごめんなさい)

 

 

 

 

 

 

 

安室は、七海をここまで追い詰めた張本人なのだが、悪人に見えないのが不思議だ。あんな男だったら別れてよかったですよ、と言われると七海でなくてもそんな気になる。次に安室は七海に、結婚式代理出席のアルバイトを持ちかける。代理出席するメンバーが集まると、新郎の親戚で5人家族の一員という役だったので、お父さん、お母さん、お姉さん、弟ができる。披露宴の後、夕飯を食べに行ったりして盛り上がる5人。

中でも、姉役の里中真白(Cocco)と気が合って、解散した後二人で飲みに行く。「連絡先教えて、LINE?」と聞く真白に、私はプラネットなの、という七海。

 

プラネットという架空のSNSサービスなのだが、idは「カムパネルラ」。本名でのやり取りではないSNSみたいで、連絡先としてはどうかと思うけどwww。

七海の最初の名前が「クラムボン」。これは宮沢賢治の『やまなし』からきている名前ですが、結婚する彼に疑われて変えた名前が、「カムパネルラ」。これも同じく宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』から来ているんですね。安室はガンダムでそろえているようだし。

 

プラネット、マイナーだね、でもアカウント持っているよ、と言う真白のidは、「リップヴァンウィンクル」だった。

リップ・ヴァン・ウィンクル - Wikipedia

 

安室から次に持ちかけられたアルバイトは、海外在住の人の留守宅のメイド。報酬は月に100万円。大きなうちで、もう一人既にメイドがいるという。そのメイドは真白だった。仲良く暮らす2人。しかし、家の持ち主が安室に依頼したのは、想像を超える内容であった……。

 

 

これ、長い映画だったんですね。3時間!でも、長さを感じさせませんでした。

 

本を先に読んで、詳しい内容を知ってしまった後、映画の見どころはまさに黒木華さんでしたね!

髪をきゅっと結った七海、ウェーブのかかった長い髪を下ろしている七海、といろんな姿が見られます。黒木華はうりざね顔に小さな目、と地味な顔立ちなのだけど、頬骨、顎、首にかけてのラインがとても綺麗で、ほんのりピンクの色白の肌がとても綺麗で、かわいいな~、かわいいな~とみとれてしまいました。花嫁衣裳を着ているところを見ると、砂糖菓子のようで食べてみたくなりました。

 

綾野剛くんは、とても頼りにできるんだけど、一番悪い奴だろう、みたいな、とらえどころのない役で、とてもいい感じでした。

 

 

 

 

予告に出てきた、七海が猫みたいな角のある角隠しみたいなのをかぶっているところはなんだろう?と思っていたのですが、SNSのプラネット、画面も地味だったな~、と思い出していてハタと気づきました。あれは、プラネットの七海のアイコンだったんですね。

プラネットのアイコンはいかにもこの中から選んでください、という感じのシンプルなもの。七海はねこみたいなアイコンを使っていたと思います。

 

本の中では、ネットからこんな境遇になって知り合った真白だったが、ネットで連絡を取り合うことはついになく、いつも顔を合わせて話していた、みたいなことがベタに書かれていました。映画の中で、七海がさいごにプラネットのアイコンになっているのは、リップヴァンウィンクルからの返信を待っているからなのでしょうか。