読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

rocorinne bookworm

INPUTして、OUTPUT。

「サウルの息子」 2015年カンヌ、グランプリ受賞作

ギンレイホール 洋画

ギンレイホール、もう一本はカンヌ国際映画祭の審査員特別グランプリ受賞作「サウルの息子」でした。パルムドールは1等賞、このグランプリは2等賞って感じらしいです。

 

あ、あ、あ……orz、これは恐ろしい、こんなの観なければよかった(>_<)と思うような恐ろしい映画でした。

 

アカデミー賞ゴールデングローブ賞の外国語作品賞も受賞しています。


「サウルの息子」予告編

 

サウルの息子(原題)Saul fia
2015年 ハンガリー
監督 ネメシュ・ラースロー
脚本 ネメシュ・ラースロー
クララ・ロワイエ
キャスト
ルーリグ・ゲーザ サウル
モルナール・レべンテ アブラハム
ユルス・レチン ビーダーマン
トッド・シャルモン 顎鬚の男
ジョーテール・シャーンドル 医者
上映時間 107分
レイティング 日本G 米国R
受賞歴 第88回 アカデミー賞(2016年)
第73回 ゴールデングローブ賞(2016年)
第68回 カンヌ国際映画祭(2015年)

オフィシャルサイト: 映画『サウルの息子』公式サイト|大ヒット公開中!

f:id:rocorinne:20160626232119p:plain

 

1944年、アウシュヴィッツ・ビルケナウ強制収容所。主人公サウルは、強制収容所で「ゾンダーコマンド」をしている。強制収容所内の「ゾンダーコマンド(特殊部隊)」は、殺戮された同胞の死体処理の任務をさせられているユダヤ人の男たちだ。彼らは自分たちの命がほんの数か月しか延命されないことを知りながら、他の選択肢もなく、死体の処理にあたる。

 

収容所に新たに送られてきた人々が入れられた部屋は、周囲にぐるりとフックがついていて、「消毒する」「フックの番号を覚えておけ」などとせきたてられ、男女共に服をすべて脱いで壁のフックにかけ、一糸まとわぬ姿で次の部屋へ追い立てられる。

 

サウルたちゾンダーコマンドは、すべての手順を承知で、密閉された部屋からの阿鼻叫喚を聞いている。悲鳴も止み、しばらくすると今度は片付けだ。死体を運び出し、汚れた床を掃除し、壁に残された服からめぼしいものをより分ける。

 

この有名な虐殺の現場を、サウルの視線から再現しています。恐ろしい、本当に怖い。狂気の時代ですね。

サウルは、見たくないものをあまり正視しない様子だが、引きずられていく死体や、床の血のりなど、いやでも目に入ってくるものに、動じる様子もなく仕事を続けている。

 

このサウルを演じたルーリグ・ゲーザさん(ハンガリーは名字が先にくるようです)。この人も、ディーパンのアントニーターサン同様、普通の俳優さんではありません。

ブダペストハンガリー)生まれ、クラクフポーランド)の大学でポーランド文学を学ぶ。クラクフアウシュヴィッツのすぐそばですね。その後ハンガリーで演劇を学び、2本の映画出演の後、イスラエルに住んだりしたのち、ニューヨークにうつり、ユダヤ教神学院を卒業後、教鞭をとる。詩人。長編小説執筆中。

そして、顔が怖い。この写真は映画のFacebookページからいただきました。正面から見るとはっきりわかるのですが、鼻の頭が、みつくちのようにつぶれているんです。

f:id:rocorinne:20160626235711j:plain

 

もう、ここまででもネタバレですが、この後いよいよお話のネタバレの内容になります。

 

ガス室の片づけをしていると、死んでなくてあえでいる少年がいた。ベッドに乗せられて医師に調べられる少年は、美しい顔をしている。医師は彼を窒息死させて、解剖に回すように指示する。サウルは少年に目が釘付けだ。医師の部屋に入って、解剖しないでください。ラビ(ユダヤ教聖職者)を呼んで、祈ってもらい、埋葬したいと申し出ます。息子なんです!というサウルに、「私も奴隷なんだよ」という医師。

 

一方、サウルのゾンダーコマンド部隊は、自分たちもそろそろ殺されるのでは、と考えて脱走計画を練っている。また、収容所は予定以上の収容者がどんどん送り込まれ、ガス室では処理しきれなくなり、穴を掘って陥れ、そこで焼却するような地獄絵が繰り広げられる。

 

この緊迫した事態の中、サウルの願いは、息子を丁寧に弔ってやること。ゾンダーコマンドの仲間は、気もそぞろなサウルに、「お前には息子はいない!」と叱咤します。

 

これが、本当にわからなかったですね。本当に偶然息子を見つけたのか。それともそんな妄想に陥っているのか。私は妄想の方に一票です。

 

少年の遺体を盗んで来て、持って逃げるサウル……。

 

目をそむけたくなる、映画でした。