rocorinne bookworm

この映画観たよ。

「ディーパンの闘い」 2015年カンヌ、パルムドール

イギリスがEUから離脱してしまいました。どうなる!?イギリスとヨーロッパ!?

 

 

ギンレイホール、先週までの2本立てです。

2015年カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作「ディーパンの闘い」と、審査員特別グランプリ「サウルの息子」の2本立てでした。

 

この年のコンペティション部門に、「追憶の森」(ガス・バン・サント監督、マシュー・マコノヒー渡辺謙さん)が選出され、ブーイングを受けた話を以前書いて、大変失礼な書き方をしたよな~、ぜひ観ておかなければ、と思っていたのですが、ロードショーが終わってしまいました。全米公開は依然微妙なようです。 

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しかし、今回パルムドールとグランプリの鬼気迫る作品たちと、同じ土俵で比べられたのが災難だったかもしれません。

 

 


映画『ディーパンの闘い』予告篇

 

ディーパンの闘い(原題) Dheepan
2015年 フランス
監督 ジャック・オーディアール
脚本 ノエ・ドゥブレ
トーマス・ビデガン
ジャック・オーディアール
キャスト
アントニーターサン・ジェスターサン ディーパン
カレアスワリ・スリニバサン ヤリニ
カラウタヤニ・ビナシタンビ イラヤル
バンサン・ロティエ ブラヒム
上映時間 115分
レイティング 日本G 米国R
受賞歴 第68回 カンヌ国際映画祭(2015年)

 

オフィシャルサイト:映画『ディーパンの闘い』公式サイト

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内戦下のスリランカ。男は枯れ枝を積んでたくさんの死体を荼毘に付している。女は難民キャンプで、親のない子供を探している。子連れを装い国外へ脱出するためだ。女と孤児の少女と男は、その日、出会ったばかりながら3人家族を装う。「ディーパン」は男が新しくもらった名前だ。かろうじて難民審査を通り抜けた3人は、パリ郊外の団地の一室に住まいを見つける。

 

その団地で男は管理人の職を得て、女は老人の世話をする仕事を引き受ける。少女は地元の学校に通い始めるが……。

 

監督ジャック・オディアールはフランス人。ソルボンヌ大卒の名監督だ。

ディーパンを演じたアントニーターサンは、俳優ではなく、実際に19歳までスリランカテロ組織の兵士だった男。その後亡命、フランスへ渡ったのち、働きながら執筆を続けて作家になった。

 

以下はネタバレの内容になります。

 

3人が住み始めた団地は、治安の悪い所で、女が介護している老人のうちにも犯罪者が出入りしている。

ディーパンは元兵士だったが、故郷で妻子を失いフランスでやり直そうと、どんな仕事も一生懸命引き受けて働いている。

少女は学校になじめないでいるが、家族のぬくもりを求めている。

女も生活が安定しはじめるとほっとしてくる。老人の家に住みついている犯罪者の男に料理を褒められたりして、ちょっと親しい気持ちにもなる。そのフランス人はインドとスリランカの区別がつかない。

 

団地で発砲事件が起こり、女は恐怖にかられ、ディーパンと少女を捨てて、この物騒な場所から逃げ出したいと考える。

 

寄せ集めながら、この家族を守るーーー!!と決心するディーパン。元兵士は、フランス人のチンピラの敵ではなかった(゚д゚)!!

 

ディーパンの闘い [DVD]

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余談ながら……。

イギリスのEU離脱派の大きな理由に、もう移民を入れないで!というのがあります。日本は移民受け入れ劣等生の国なので発言権がない~と思うものの、紛争地の元々の紛争が起こる原因を作ったのは、ヨーロッパ、特にイギリスの植民地政策だったりするのでは、と思ったりもするので、そこには少し責任感を持ってもらいたいと思ったりします。

 

しかし、シリアはともかく、スリランカからフランスは遠い……。

本当に日本は情けない国だと思います。