rocorinne bookworm

この映画観たよ。

「レヴェナント」は確かにすごかった。イニャリトゥ、ルベツキ、そしてディカプリオ。

男ばかりのむさい映画は観たくない……と思いながらも、アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督がどうしても気になって、「レヴェナント 蘇りし者」を観てきました。なんでって……昨年のオスカー作品賞「バードマン」がすごく意外にとっても良かったからです。

 


映画「レヴェナント:蘇えりし者」予告1(150秒) アカデミー賞主要3部門受賞

 

レヴェナント 蘇えりし者(原題) The Revenant
2015年 アメリ
監督 アレハンドロ・G・イニャリトゥ
脚本 アレハンドロ・G・イニャリトゥ
マーク・L・スミス
原作 マイケル・パンク
撮影 エマニュエル・ルベツキ
キャスト
レオナルド・ディカプリオ ヒュー・グラス
トム・ハーディ ジョン・フィッツジェラルド
ドーナル・グリーソン アンドリュー・ヘンリー隊長
ウィル・ポールター ジム・ブリジャー
フォレスト・グッドラック ホーク
上映時間 157分
レイティング 日本R15+ 米国R
受賞歴 第88回 アカデミー賞(2016年)
第73回 ゴールデングローブ賞(2016年)

オフィシャルサイト:映画『レヴェナント:蘇えりし者』オフィシャルサイト

The Revenant - Official Movie Site | 20th Century Fox

 

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これは、もう映像美の素晴らしい映画でした。

撮影の時刻を限って撮ったという、大自然の本当に見渡す限り人工物のない世界。雪に覆われた渓谷、林、川……。

そして、のっけから開拓者たちと先住民のすごい戦闘シーン。

 

3年連続アカデミー賞撮影賞受賞ですからね!エマニュエル・ルベツキさんは……。

「ゼロ・グラヴィティ」「バードマン」そして「レヴェナント」

宇宙、都会、大自然と舞台を変えて大活躍です。

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左から、撮影賞のルベツキ、レオ様、イニャリトゥ監督。

 

レオナルド・ディカプリオは、撮影が大変だった!大変だった!と言ってアカデミー賞をゲットしましたが、本当に大変そうでした。熊に襲われたり、凍る川に流されたり……。

 

 

MTVムービーアワードで、司会の二人が不謹慎なラップを歌っていました。

♪今年もいろんな映画があったけど、これが一番!「レオが熊にF***された!」 ~はじめのうちはいろんな映画の紹介ですが、最後は「レオが熊にF***された!」の繰り返し!

 

確かに熊に何度も何度もひっくり返されては上にのしかかられていたので(*_*;

 

その二人のラップです。

ところで↓こんなYouTube始めてみました(*‘ω‘ *)360度好きなところを見られるんです。こんなのを載せたらページが重くなってしまうかな?

(追記)私のiPhoneからでは、視点が変えられませんでした。パソコンで見てみてください!


360 VR: [UNCENSORED] Leo Got F***ed By a Bear Rap | 2016 MTV Movie Awards

 

レオ様演じるグラスは実在の人物で、一種のアメリカンヒーローなんだろうなと思います。熊に襲われて重傷を負い、隊に置いて行かれ、息子を殺され武器も奪われたところで、瀕死の状態から蘇り、息子の敵を追います。

 

映像は美しく、グラスの目的は生きて敵を討つこととシンプルで、しかもとても長い映画なので、グラスの死闘に観客も付き合わされるのですが、私は「正義はどこにあるのか」というようなことを考えていました。

 

敵役フィッツジェラルドは、卑劣な男で、最初からグラスと息子のホークを嫌っていました。フィッツジェラルドの頭には、大きな傷跡(頭半分ハゲみたいな)がありますが、それは先住民に頭の皮をはがれたことがあったからです。よく生きてたなー。だから先住民が憎い。そんなこともあってグラスが気に入らなかったのですね。

 

隊長はとても立派な人物で、任務の遂行とガイドのホークのこともとても大事に思ってくれています。

 

冒頭、隊長率いる部隊は、先住民の不意打ちに合い、苦労して集めた毛皮を奪われ、隊員もたくさん殺されてしまいます。でも、元々先住民のエリアを犯しているのは白人たちの方。それぞれが、自分の正義と同時に深い傷を負っているのです。

 

先住民……ネイティブアメリカンと呼ばれるのは嫌だ、と、この作品の作者、シャーマン・アレクシーは言っていましたが、現代でも(とりあえず)ネイティブアメリカンの受けている差別は、黒人以上のひどさだと思います。 

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メキシコ人のイニャリトゥ監督が、グラスを主人公に映画を撮ったのは、どんな意味があるのかな~と思います。

 

昨年、バードマンが作品賞を取ったとき、プレゼンターのショーン・ペンが、「誰がこいつにグリーン・カードをやったんだ?」(1:26)と言って、イニャリトゥの受賞を発表したのですが、このジョークは、ショーン・ペンとイニャリトゥが親しい間柄だからこそだ、という話ですが、不快に思った人も多かったようです。


Birdman: Or (The Unexpected Virtue of Ignorance) Wins Best Picture