rocorinne bookworm

この映画観たよ。

4月に読んだ本のまとめ

今月読んだ本はすべて映像化されたものばかりでした!

『ぼくのヒ・ミ・ツ日記』と、ウッドハウスTVシリーズで、あとは映画です。

 とはいえ、ライラの冒険シリーズの映画の続編は、ついに制作されませんでした。 

 

でも最近、BBCがドラマ化を発表しました。でもまだ時期未定で、キャスティングも来年になるとのことです。

www.theguardian.com

 

というわけで、一番ていねいに読んだライラの冒険シリーズを今月の1冊にします。

 

2016年4月の読書メーター
読んだ本の数:13冊
読んだページ数:4305ページ
ナイス数:1014ナイス

 

黄金の羅針盤〈上〉 ライラの冒険

黄金の羅針盤〈上〉 ライラの冒険

 

このシリーズは映画公開時に3巻6冊を読みましたが、今回読書会のため再読中です。周知の事実のごとく、説明がないままこの世界を書き出す最初の部分がちょっと読みづらいのですが、ダイモン(守護精霊)のいるライラの世界に、ロンドンもオックスフォードもトカイワインもあるというのが最初の伏線ですね。とんでもないお転婆主人公が魅力的で、ダイモンがおもしろく、ファンタジー好きには満足の世界設定です。登場人物も多いですね……。下巻に続きます。【ガーディアンの1000冊、既読】

読了日:4月11日 著者:フィリッププルマン

   

黄金の羅針盤〈下〉 ライラの冒険 (新潮文庫)

黄金の羅針盤〈下〉 ライラの冒険 (新潮文庫)

 

よろいグマのイオレク・バーニソン、気球乗り、魔女の女王などを味方につけ、ライラの一行は北を目指す。囚われた子供たちの施設、よろいグマの国で、ライラに降りかかる危機の数々、様々な異形の敵を従えて彼女を追うコールター夫人。ハラハラドキドキの展開が続きます。ライラが魅力的で快哉を上げたくなることしばし。とてもおもしろいんだけど、児童書として考えると、この両親はどうしても許せないな。次へ進みます。

読了日:4月13日 著者:フィリッププルマン

 

神秘の短剣〈上〉 ライラの冒険II (新潮文庫)

神秘の短剣〈上〉 ライラの冒険II (新潮文庫)

 

「黄金の羅針盤」が一段落を見せて終わった後、この本に入ってウィルが登場すると、黄金の羅針盤は、壮大な物語のほんの序章だったように思われる。自身の使命を持つウィルと行動を共にするようになるライラ。アスリエル卿の味方をするため、異世界へ入る魔女たち。グラマン博士を探す気球乗り。話は複雑さを増して、下巻へ続きます。【ガーディアンの1000冊、既読】

読了日:4月15日 著者:フィリッププルマン

 

神秘の短剣〈下〉 ライラの冒険II (新潮文庫)

神秘の短剣〈下〉 ライラの冒険II (新潮文庫)

 

ウィルの短剣の登場で話は盛り上がっていくが、恐れ入るのはライラの両親の神がかった凄さだ。アスリエル卿は姿は見せないが話の求心にいる。スペクターさえ従わせてしまうコールター夫人って一体……。重要な登場人物が最期を迎えたり、そこが詳しく書かれたりしているところが、ほんと児童書としては気に入らない。『神秘の短剣』では、こちらが主人公と言ってもいいウィルも、子供ながらずいぶんひどい目に合うし……。でも、おもしろい。続く『琥珀の望遠鏡』は、なんだか読みにくかったような覚えがあるけど受賞作だし、期待してよもう♪

読了日:4月17日 著者:フィリッププルマン

 

琥珀の望遠鏡〈上〉 ライラの冒険III (新潮文庫)

琥珀の望遠鏡〈上〉 ライラの冒険III (新潮文庫)

 

獰猛な小人族のスパイたちという魅力的なキャラや、ゲイっぽい天使のカップルなど新しい登場人物も加わり、話はますます複雑に。メアリー・マローン博士は、車輪を使う知的生物のいる世界へ。生活感の薄いこの物語の中で、リアリティを持たせるべく一番生活ぶりが書かれているのがこの車輪生物たちだ。ライラをめぐる攻防戦、折れた短剣を直すクマと二人の子供、アスリエル卿につかまるコールター夫人と見どころ満載で、下巻へ続きます。 読書会で使ったため、メモを取りながら読みましたが、大量に覚書が必要でした。【G1000、既読】

読了日:4月19日 著者:フィリッププルマン

 

琥珀の望遠鏡〈下〉 ライラの冒険III (新潮文庫)

琥珀の望遠鏡〈下〉 ライラの冒険III (新潮文庫)

 

3巻の話を振り返り、ライラの視点からみれば、友達を助けに行く、仲間ができていろんな困難を乗り越える……という冒険物語であり、子どもが読んでも楽しめる。俯瞰的には、教会や天使など神を表すものに対抗することや、300年前から始まった自然界の狂いを正していくことやなど、ミルトンの『失楽園』から影響を受けたというむずかしめのテーマが入っているという壮大な物語だ。最後はライラが新しいイブの役割を果たして世界を救うが、えっこれで解決?というもやもやを、ライラとウィルの運命の悲恋で盛り上げてまとめるところはちょっと力技だ。児童文学にしては極悪非道で許せない部分もあり、大人が読む小説としては突っ込みどころ満載で、ファンタジー好きなら大いに楽しめる。読者を選ぶ小説だと思います。最も『指輪物語』だってそうですよね。私はファンタジー大好き、楽しみました。

読了日:4月20日 著者:フィリッププルマン

 

 

ジーヴスは4冊目位だが、笑いのツボがしっくりくるようになり、吹きながら読みました。結婚したくないバーティ、とんまで助けの必要な友人たち、すべてを手玉に取るジーヴスといういつものパターン。バーティは「あさが来た」の主人公の夫・新次郎の隠された知性の部分を取ったような人物……と思い浮かべながら読みました。この明るいコメディを大戦下、ドイツ軍抑留中に書いていたとは……。その後売国奴として非難され、戦後はアメリカに渡り二度とイギリスへ帰れなかったというウッドハウス。でも作品は長く本国で愛されているのですね。【ガーディアンの1000冊】ジーヴスと恋の季節をカウントしていたので差し替えます。  

読了日:4月1日 著者:P.G.ウッドハウス

 

この感想に読メ会のカリスマ、V氏からコメントがつきました。


V氏:私もジーヴスを4冊読みましたが、とうとう面白さはよくわからないままでした。
私:Vさん、そうですか……。うまく言えませんが、今までは時代や国やイギリスの階級などを頭で考えながら読んでいたのですが、そういうものを承知の上で読んでいると、人物の動きや展開が予想できて安定しておもしろいです。落語などでも繰り返しのおかしさってありますね、そんな感じになりました。
V氏:私はイギリス流のユーモアは嫌いではないのですが、ジーヴスはどうも品がないような気がするのです。

 

ジーヴスは……品がないかしら?言い返せない私(涙)

第二次大戦中に売国奴呼ばわりされたウッドハウス。品がないせいか!?

ウッドハウスは)第二次世界大戦中、旅行先のフランスでナチス・ドイツ軍に拉致され、ナチスが米英へ向けて放送していたラジオ声明に出演させられたことがある。ここで捕虜生活の不平を面白おかしく語ったり、知り合ったドイツ軍将校について好意的な意見を述べたりした。この放送はイギリス国内から激しい非難を受けたが、のちにジョージ・オーウェルら友人の作家たちの擁護もあり、名誉は回復されている。(ウィキペディア)

ジョージ・オーウェルの、ウッドハウス擁護論を訳してくださった素晴らしい記事もあります。

nina313.hatenablog.com

 

んー。こうまとめていいですか?私はジーヴスを読んで、大いに楽しめました。

V氏が品のなさを感じて楽しめなかったのは、残念なことです。

 

 

 

 

夢十夜 他二篇 (岩波文庫)

夢十夜 他二篇 (岩波文庫)

 

夢十夜』は何度も読んだことのある大好きな話ですが、今回、朝日新聞の連載で読みました。美しい、怖い、切ない、つかみどころのない大きな夢たちを毎日一遍ずつ読むのは楽しかったです。今は『吾輩は猫である』を毎朝読んでいます。底本は岩波文庫とあるのでこちらで登録します。すべて既読ですが、今回再読したのは『夢十夜』だけです。

読了日:4月1日 著者:夏目漱石

 

 

キャロル (河出文庫)

キャロル (河出文庫)

 

ロードショーが終わってしまう、と思って映画を先に観ました。映画もよかったですが、本はさらに良いと思いました!同性愛ということで苦しむのは夫と娘のあるキャロルの方ですが、テレーズの方は結婚も仕事もこれからという若さなので、同性ということは意識せず一人の人間としてキャロルに魅了されていきます。出会いの場面から、あこがれ、激しい愛情、嫉妬や失意などがすべて緊張感を伴って描かれ、彼女が人間としてぐっと成長した上で、将来を選び取るところがよかったです。本ではテレーズが主人公ですね!

読了日:4月9日 著者:パトリシアハイスミス

 

 

 

三四郎 (岩波文庫)

三四郎 (岩波文庫)

 

朝日新聞で毎朝読みたかったのですが、ためていたものを読み終わりました。岩波を底本にしているのでこちらに登録です。三四郎は特に好きな作品で、今回もおもしろかったです。青春ですね~。連載中の新聞のコラムに、美禰子のモデルは平塚雷鳥で、森田草平雷鳥と心中未遂事件を起こした後、漱石森田草平にそのことを小説に書くように勧め、僕も書いてみよう、と書いたのが美禰子だった、というようなことが書いてあり、初めて知りました。平塚雷鳥は、朝ドラで大島優子ちゃんがやったのを見たばかり。ま、ちょっと違うけど。笑

読了日:4月22日 著者:夏目漱石

 

 

ぼくのヒ・ミ・ツ日記 (てのり文庫)

ぼくのヒ・ミ・ツ日記 (てのり文庫)

 

13と3/4歳のエイドリアンの一年とちょっとの日記だ。両親の不和、お金がないこと、女の子、BBCに詩を送る、カツアゲされる、授業をさぼるために始めた「善きサマリア人」のボランティアで老人の介護をする、そして読書家で読んだ本の名前などが日記に書かれている。エイドリアンが子供っぽく自己中心的であったり、根がいい子でいい子であろうと努力しているところが、素直に描かれていて好感が持てる。なぜこれが【G1000】に?と思うような内容だが、イギリスでは舞台やTVシリーズになり大人気で、7冊ほど続編もあるようだ。【ガーディアンの1000冊/70冊目】

読了日:4月24日 著者:スータウンゼント

 

 

バレエシューズ (マスコットブックス)

バレエシューズ (マスコットブックス)

 

女の子の夢がつまったようなお話でした。お屋敷に引き取られた孤児の女の子3人。ところが屋敷の主人は消息不明になり、屋敷を預かる女性は子供達を育てながらも金銭的に行き詰まり下宿人を置くことに。3人の娘たちは、下宿人たちに助けられながら、プロのバレリーナや舞台女優を養成する学校の給付生になります。華やかな美貌で演技の好きな長女。踊りより車や飛行機が好きな次女。幼いうちからバレエの才能を現す三女。高い志を持とうとする3人と、温かくまた厳しく3人を見守る大人たち。嫌な人は一人も出てこないこんなお話もいいですね。

美貌の長女をエマ・ワトソンが演じて映画化されています。【ガーディアンの1000冊/71冊目】

読了日:4月25日 著者:ストレットフィールド

 

 

アイ・アム・レジェンド (ハヤカワ文庫NV)

アイ・アム・レジェンド (ハヤカワ文庫NV)

 

崩壊した世界でサバイバルする物語としては古典に入るのでは。同名の映画で知った作品ですが(映画はまだ観てないけど)、金髪碧眼長身筋骨隆々の主人公なので、あまりウィル・スミスをイメージせずに読み進めました。3回映画化されているそうです。【奇妙な味イベント】で、マシスンの名前があったのでこれを選びましたが、長編ではなかなか「奇妙な味」と言える切れ味は出ないものだと思いました。それでも、○のところと、○○のところであっ!と落とされました。【ガーディアンの1000冊/72冊目】

読了日:4月27日 著者:リチャード・マシスン



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