「夏をゆく人々」 のどかで複雑な映画
ギンレイホール、「マイ・ファニー・レディー」とペアになったのがこの作品。
ペアになった理由がよくわかりません。「マイ・ファニー・レディー」は若い女性の成功の下敷きとなったドタバタ芝居が舞台になっていますが、一方この話は田舎の少女を中心とした家族の話。
大都会 VS 田舎つながりかしら?もっといい理由がわかる方、教えてください。
第67回カンヌ国際映画祭グランプリ受賞作!映画『夏をゆく人々』予告編
オフィシャルサイト
この作品は、カンヌ映画祭グランプリ受賞作。
カンヌ映画祭は、最高賞がパルム・ドール、グランプリというのは、審査員特別グランプリのことなんですね。
この映画の監督・脚本のアリーチェ・ロルバケルさん、とても素敵な人ですね。
1982年生まれ。これが2作目で、カンヌでグランプリ。お見事です。
舞台はイタリア、トスカーナ地方。養蜂をしている一家の話です。蜂がぶんぶん飛びまわる、のどかな美しい情景が続きますが、このお父さんが怖い怖い。ドイツ人のお父さんでイタリア人のお母さん、この地方で養蜂家というのは監督自身の生まれ育ちだそうです。
子供たちは4人みんな女の子で、長女(11歳くらい)が、お父さんに頼りにされてすごく働かされてます。のどかなようで忙しく働く毎日に、いろんなちょっとした事件があって、モニカ・ベルッチまで出てくるのですが、なんだか感想が書きづらいのです。
中央がモニカ・ベルッチ。地方を舞台にした、安っぽいリアリティ・ショーみたいなのを収録していて、一家も巻き込まれます。
モチーフがのどかでシンプルなようでありながら、ハッピーなオチがついているわけでもなく、観終わった後に何か割り切れないような思いを持ちました。
そういう風な思いを持つことが悪い終わり方ではないのですが、こののどかさ、このシンプルな人たちに対して、複雑な感慨を持つことが奇妙な感じでした。そういう所が評価されたのかしら?審査員の皆様に。