rocorinne bookworm

INPUTして、OUTPUT。

「スポットライト 世紀のスクープ」 新聞ジャーナリズムの栄光

朝日新聞のこの記事を読んだら、俄然「スポットライト」が観たくなりまして、早速行ってきました。

 

脚本・監督のトム・マッカーシー談です。作品賞、脚本賞受賞。

digital.asahi.com

監督・脚本のトム・マッカーシー氏は「ジャーナリズムによる権力監視は社会にとって不可欠。地域に密着したジャーナリズムを支えなければならない」と思いを語る。

 

地域に密着したジャーナリズムか……。アメリカの普通のおうちでとっている新聞は、普通ローカル新聞だもんね。

取材の指示を出し、大きな権力を持つ教会に挑む判断をした編集局長が「取材が十分でない」と記事の掲載を止める場面もある。マッカーシー氏は「最近のジャーナリズムはスピードを重視するあまりに見落とすことが多いが、ニュースの核心に迫るために、優秀な編集者がいかに必要であるかも示したかった」と話す。

 

なるほど、取材する記者だけでなく、それを掲載する編集者も新聞では大事なのね~。そして、昨今のアメリカの混乱ぶりについても、言及。

 だが、現実には米国の地方紙の多くが経営難で苦しみ、人員も部数も減っている。その影響の深刻さが十分に理解されていないとの懸念をマッカーシー氏は抱く。「今年の大統領選をみても、好き勝手に発言する政治家が横行している。特に共和党は政策についての言及が少なく、ディベートも冗談のようだ。大きな理由は、本当のジャーナリストから質問を受けていないことだ」と考えている。(アンダーラインは私がつけました)

 

本当のジャーナリストか。今はインターネットでちょちょっと調べたりできるので、本当のジャーナリストが取材して、優秀な編集者が見極めた記事を読める新聞って、今後も大切にしていかなきゃいけないメディアじゃないですか!!

 

と、とても感心したところでハタと気づく。この記事を書いているのも朝日新聞社の記者さんじゃないですか。なるほど~、この映画は、

新聞記者が「わが意を得たり!」と思うような映画なのね、と思ったのです。

 

 

www.youtube.com

「スポットライト 世紀のスクープ」(原題 Spotlight) 2015年 アメリカ
監督/トム・マッカーシー  脚本/トム・マッカーシー、ジョシュ・シンガー
キャスト/
マーク・ラファロ(マイク・レゼンデス)
マイケル・キートン(ウォルター・“ロビー”・ロビンソン)
レイチェル・マクアダムス(サーシャ・ファイファー)

上映時間 128分 レイティング 日本 G 米国 R

   映画『スポットライト 世紀のスクープ』公式サイト

 

 

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おもしろかったですね~。レイティングがGとあるように、いやな絵はぜんぜんありません。

(追記)レイティング、日本G、米国Rでした。Rが付いた理由は、会話の内容ということです。(Rated R for some language including sexual references)

 

地方紙のボストン・グローブ紙が、ニューヨークタイムズ紙に買収されて、新しい編集局長が赴任します。 よそから来たユダヤ人、と何度も言われる編集局長。よそ者だけに鋭い着眼点で、ある神父による性的虐待事件に関して、スポットライトチームで掘り下げた取材をするように指示します。

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リーヴ・シュレイバー ( Liev Schreiber )、TVドラマ「レイ・ドノヴァン」でこわもて役をやっていたのに、とても穏やかな物腰の知的な人の役。

 

 

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スポットライトのリーダー。地元の有力者をよく知る。 マイケル・キートン、いい役が続きますね。

 

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敏腕熱血記者。マーク・ラファロ。忙しすぎて家庭は崩壊してるけどそれは構わないみたい。

 

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紅一点の女性記者。被害者の話を親身に聞きます。レイチェル・マクアダムス

 

あとデータ担当みたいな人と、中間管理職ぽい人を加えたメンバーで、ひそかに取材が続きます。

 

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以下、ネタバレの内容あります。

 

 

 

 

新任の編集局長は、個人の神父の不祥事を暴いてもしょうがない。組織ぐるみの隠ぺいを暴け、と指示を出します。

被害者、被害者の会、被害者の弁護士などへインタビューしていくうちに、隠ぺいの事実を知るとともに、この実態を暴く機会があったのに取り上げなかった自分たち、ということにも気づいていく、記者たち。

神父の名鑑を一行ずつ調べていく地道な作業とかも続けていくうちに、証言者たちの信頼も得て、ついに地域の枢機卿が関与している証拠をつかむ!

しかし、デスクはスクープを出したいチームをおさえて、複数の神父の関与と教会の組織に迫る証拠をつかむように、指示を出します。

 

そして、満を持した記事をついに出した日、教会や支持団体のデモを警戒し、電話応対の心構えをしているチームの元には、被害者からの電話が続々かかってくるのでした。

 

映画の最後に、事実の列挙。これはボストンの話で、そのあとチームは記事を書き続けるのですが、ボストン・グローブ紙の記事に触発されて、被害の明らかになった地域が、画面いっぱいに全米、世界と何ページも紹介されます。これは、ほんとに恐ろしいことでした。 

 

胸が熱くなるとともに、これからのジャーナリズムってどうなるのかな?ということを思わずにはいられない映画でした。