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rocorinne bookworm

INPUTして、OUTPUT。

9月に読んだ本のまとめ

今月は、荻原規子さんが読書会のテーマで何冊も読みましたが、今月の一冊に選んだのはこちら。 

しろいろの街の、その骨の体温の

しろいろの街の、その骨の体温の

 

これはすごい、話にぐいぐい引き込まれて読みました。新興住宅地で育つ主人公の少女、小4~中3になるまで。骨を襲う成長痛と初潮の小学校時代、スクールカーストと自意識に縛られる中学校時代、少女の成長と性の欲望がリアルで丁寧に残酷に描かれていて、極限まで行きながら、うまくまとめた終わりでとてもよかったです。王様のブランチの中学生に薦める本で西加奈子さんが本書を出して、「中学生の時にこの本に出会っていたらほんとに救われたよなって」と。さすが西さん!

朝井リョウさんが「殺人出産」の方を薦めて、そちらを先に読んだのですが、ちょっとSFっぽい「殺人出産」とはまた違う作風でした。

読了日:9月22日 著者:村田沙耶香

 

 

2015年9月の読書メーター
読んだ本の数:19冊
読んだページ数:4843ページ
ナイス数:1260ナイス

 

窓から逃げた100歳老人

窓から逃げた100歳老人

 

100歳の誕生日に老人ホームを逃げ出したアランの冒険と、彼の100年の人生の冒険を交互に描く。教育は小学校の3年まで。10歳からニトログリセリン会社で働き始めたアランは、爆発の専門家、極度の政治嫌い、ウォッカがあればどこへでも行くという人懐こい性格だが、意図せず歴史の要人たちと出会い、歴史に影響を与えるようなことを引き起こしていた。2005年までの100年の歴史を要約するような豪華な顔ぶれが登場。(しかし、政治家はきな臭い奴らばかりだ)……映画を先に見たが、小説の方が更におもしろい。

訳者は何度も大爆笑と書いているが、歴史背景や人名がありあり思い浮かぶ人でないとそうは笑えないと思う(笑)。原文はスウェーデン語で、英訳を原本+仏訳参照の翻訳だそうだ。

読了日:9月1日 

 

 

空色勾玉 (徳間文庫)

空色勾玉 (徳間文庫)

 

荻原規子さん初読み、デビュー作ですね。古事記の神話をベースにしながらも、オリジナルな登場人物を活躍させた世界観がなかなかよかったです。続くシリーズも楽しみ♪

読了日:9月4日 著者:荻原規子

 

 

キュッパのはくぶつかん (福音館の単行本)

キュッパのはくぶつかん (福音館の単行本)

 

都美術館の「キュッパのびじゅつかん」に行こうと思い、予習です。ノルウェイのキュッパはまるたのおとこのこ。丸太……なんて可愛い!キュッパの世界では、人間も動物も木も同じように生活しているようです。拾ってきたガラクタを整理して並べるとこんなにきれい。細かく描き込まれたページがとても楽しいです。

読了日:9月6日 著者:オーシル・カンスタ・ヨンセン

 

 

キュッパのおんがくかい (福音館の単行本)

キュッパのおんがくかい (福音館の単行本)

 

今回は音楽に夢中のキュッパとググラン。相談相手はキュッパのおばあちゃん。このおばあちゃん丸太のおうちのインテリアが素敵ですぎて、ページをすみからすみまで眺めたくなります。細かく描きこまれているので、暮らしぶりも伝わってきます。ノルウェイ人の作者は、大学ではデザインを学び、地元の楽団で10年間、管楽器など演奏していたそうです。

読了日:9月6日 著者:オーシル・カンスタ・ヨンセン

 

 

白鳥異伝 上 (徳間文庫)

白鳥異伝 上 (徳間文庫)

 

 勾玉シリーズ第2弾。『空色勾玉』の登場人物のその後を期待していたが、彼らがすでに神話となっている、後の時代が舞台だ。新たな若い主人公たちにすぐに夢中になり読み進む。お転婆の遠子と拾い子の小倶那。幼なじみの再会はどうなることか。いよいよ存在感を現してきた勾玉は……?下巻へ続く!

読了日:9月7日 著者:荻原規子

 

 

白鳥異伝 下 (徳間文庫)

白鳥異伝 下 (徳間文庫)

 

ヤマトタケルの神話を下敷きに、九州(と思われる地方)から北海道(と思われる地方)まで巡る二人。お転婆で少年のような遠子が女性へと成長していく様子もよかったです。主人公二人が子供で悲壮な様子なので、赤毛の菅流が出るたびほっとします。かっこいいし。最後の最後にハッピーエンド。佐竹美穂さんの表紙はちょっとネタバレしすぎです。

読了日:9月9日 著者:荻原規子

 

 

薄紅天女

薄紅天女

 

勾玉三部作は、愛の物語。坂上田村麻呂が出てくる今回は、二連と呼ばれるほど息の合った二人の男の子、17歳、同い年の叔父と甥の愛の物語なのかしらと思ったら(叔父と甥と言えばLMFAO♪)、後半ちゃんと女の子も出てきました。宿命に翻弄される主人公たちですが、ラストは胸きゅんのハッピーエンドでした。戦いの場面がとてもあっさり描かれているので、いささか少女向きな感じもしますが、シリーズ中一番おもしろかったです。 

読了日:9月12日 著者:荻原規子

 

 

風神秘抄

風神秘抄

 

 新刊の『あまねく…』を読むために、勾玉三部作とこの本をを読んできました。今回は、源義平(悪源太)や、幼い頼朝、後白河法皇が登場するファンタジーです。頼朝の命を救った辺りまではわくわくして読みましたが、糸世を取り返すための第三部はちょっと冗長かつ竜頭蛇尾な感じでした。

読了日:9月14日 著者:荻原規子

 

 

恐るべき子供たち (光文社古典新訳文庫)

恐るべき子供たち (光文社古典新訳文庫)

 

高校生の頃か、この本を何度も読み、この姉弟に憧れたのだった。 新訳で、しかもコクトー自身の挿絵がいっぱい入った本書から受ける印象はちょっと違うけど、輝きは薄れていない。コクトーの挿絵はこの美しい姉弟より何より、ダルジュロスくんがかっこよく描かれているのであった。バルテュスコクトーの絵を酷評していたっけ……。【ガーディアン・イベント】既読 

読了日:9月15日 著者:コクトー

 

 

あまねく神竜住まう国 (児童書)

あまねく神竜住まう国 (児童書)

 

15歳の源頼朝が主人公だが、『風神秘抄』の草十郎、糸世らも活躍し、後日譚の1エピソードという感じのお話でした。伊豆に流された頼朝が、土地の豪族に命を狙われながらも、草十郎らの助けを得て土地神と向き合い、人々の信頼を得るにいたる未来を予見させる。荻原規子さんは愛の作家だから、頼朝のお相手も登場するが、北条政子はまだ六つくらいw。続編を期待させる終わり方だが……。

読了日:9月16日 著者:荻原規子

 

 

Fantastic Mr. Fox

Fantastic Mr. Fox

 

ファンタスティックなミスターフォックスとぶざまな人間たちとの戦い。どうみても泥棒狐なのだが、人間たちの鼻を明かすところに快哉を送ってしまう。きつね一家に愛があるからかな~。観てませんが、人形のアニメで映画化されて、声の出演が豪華。ミスターフォックスジョージ・クルーニー、ミセスフォックスはメリル・ストリープだ。

読了日:9月16日 著者:RoaldDahl

 

 

ねぶそくの牧師さん (児童図書館・文学の部屋)

ねぶそくの牧師さん (児童図書館・文学の部屋)

 

子供のころの言語障害が出て、言葉を逆さまにしゃべってしまう牧師さん。「お酒は【つけ】で飲まないこと、【ねぶそく】はさけること」の【 】内を逆さまに言ってしまい大変なことに。言葉遊びの楽しさは翻訳では伝わらないので、翻訳者は言葉を大幅に変更した旨を小さい読者に説明している。ダールの絵本を多く手掛けたクェンティン・ブレイクの後書きもあり。

読了日:9月16日 著者:ロアルド・ダール

 

 

サムとデイブ、あなをほる

サムとデイブ、あなをほる

 

読み聞かせしてもらいました。サムとデイブがお宝を求めて穴を掘る。おしい!そこにお宝が、というところで曲ってしまう……。深い穴の先にあるものは、元の家とは微妙に異なる異世界。軽快でかわいい絵。シンプルで深淵な話。おもしろかったです。2015年コールデコット賞オナーブック。翻訳されるの早いです!

読了日:9月17日 著者:マックバーネット

 

 

二百十日・野分 (新潮文庫)

二百十日・野分 (新潮文庫)

 

二百十日』だけです。今日は六本木のブックフェスに来て、「熊本の本」ジャンルにあった、この本を借りて読みました。煙もくもくの阿蘇山はタイムリー…>_<… この頃は入山規制がなかったんですね。ビールと半熟卵、吹きながら読みました。

読了日:9月20日 著者:夏目漱石

 

 

O・ヘンリー ニューヨーク小説集 (ちくま文庫)

O・ヘンリー ニューヨーク小説集 (ちくま文庫)

 

軽妙なオチのついた短編集で、それだけでも楽しく読めるのだが、本書には作中の1900年代のニューヨークを詳しく解説したミニコラムがついていて、O・ヘンリーが当時の流行を描いたいわばオサレな小説家であったことがわかる。高級百貨店、ホテルが出現し、富とそれに憧れる労働者が集まる100年前のニューヨーク……。【第2回O・ヘンリー誕生日読書会イベント】

読了日:9月22日 著者:O・ヘンリー

 

 

トマス・ジェファソン 本を愛し、集めた人

トマス・ジェファソン 本を愛し、集めた人

 

独立宣言を書き、イギリスから独立したての難しい時期に外交官をこなした第3代アメリカ大統領。彼が何より情熱を傾けたのは、本を愛し集めたことだという。大統領任期後、焼失した議会図書館に膨大な蔵書を譲ったジェファソンの財力は、バージニア州の農奴を使った大規模農園で得たものだとも。そんな内容を優しく楽しく読ませてくれます。

読了日:9月22日 著者:バーブローゼンストック

 

 

 

サラバ! 上

サラバ! 上

 

上巻は主人公、歩(あゆむ)の誕生から高校生活まで。イラン→大阪→カイロ→大阪と舞台も移る。「猟奇的な」姉、母より女であることを優先する母。二人の徹底した不和が常駐する家庭で、おとなしい観察者として育つ歩。カイロでのヤコブとの出会いと別れ、高校での須玖(すく)との親交。おもしろいなあ。下巻に続きます。西加奈子さん、直木賞おめでとう!

読了日:9月27日 著者:西加奈子

  

 

サラバ! 下

サラバ! 下

 

長い作品ながら一気に読んでしまった。渾身の大作ですね。神戸の震災を始め、大事件をうまく取り入れて臨場感もあります。受け身でうまく世の中を渡ってきた歩(あゆむ)の高校時代、大学生活、ライターとしての成功と転落、再生まで。30歳にして容色の衰えを感じ……って女の子みたいだが、一度転落しないと大切なものはつかめない。ヤコブ。ナイル川。サラバ。最後はちょっと感傷的なまとめ方だと思いました。作中引用される音楽、映画、本に関しては気になって、ググりながら読みました。

音楽では、歩のやりまくりテーマソング「Move On Up」が最高!(笑) だってKanye Westの「Touch the Sky」にサンプリングされている名曲ですから……。「ホテル・ニューハンプシャー」は、昔読んだときは、悲惨なことが起こる話なので苦手だと思った小説です。現実的な悲惨な出来事。圷家の不穏な空気とはまたちょっと違うように思います。

読了日:9月28日 著者:西加奈子