rocorinne bookworm

INPUTして、OUTPUT。

7月に読んだ本のまとめ

毎月、読んだ本の中から一番良かった本を一冊選んでいるのですが、この月は何を選んだのか忘れてしまいました……。

谷崎潤一郎かな?

ジーヴスだったかな?

やっぱり、これだった気がします。

 

ヒットラーのむすめ (鈴木出版の海外児童文学―この地球を生きる子どもたち)

ヒットラーのむすめ (鈴木出版の海外児童文学―この地球を生きる子どもたち)

 

 オーストラリア、現代。スクールバスを待つ子供たちが始めたお話ごっこ。ヒットラーに娘がいたとして、障害があるために隠れて育てられたとして……。話を聞くうち「ぼく」は、ヒットラーは自分のしていることが悪いことだと思っていたのだろうか。ヒットラーに従った大人たちは悪いことだと思わなかったのだろうか……と考え始め、自分は両親を正しい人間だと信じている、このことは絶対正しいのだろうか。今も戦争で死んでいる人が地球上にいるのはなぜか。と考えを進めていく。いいお話です。北見葉胡さんの挿絵も素敵でした。

子供が大人に質問して回るけど、親、先生、知人など、納得を行く答えをくれる人はいない。自分たちの知らない時代の戦争について。ひいては現代の社会について、子どもたちが自分で考えるというところがとてもよかったです。

読了日:7月13日

 

 

比類なきジーヴス (ウッドハウス・コレクション)

比類なきジーヴス (ウッドハウス・コレクション)

 

 ウッドハウス、初読み。語り手のバーティー・ウースターは20代の有閑貴族。平穏を愛するのんびりした性格だが、いつも友人や、従弟たちや、頭の上がらない叔母に振り回される。ジーヴスは彼の執事で、完璧な仕事ぶりに加えて、狡猾なまでの頭の冴えを見せてバーティーの危機を救ってくれる。バーティーとジーヴスの間の確執と言えば、バーティーが惚れ込んで着たがる派手な衣装(たいてい小物)をジーヴスが毛嫌いすることだ。(なんてかわいい争い…そして、常にジーヴスが勝つ。)森村たまきさんの思い入れたっぷりの解説もよかったです。

読了日:7月2日

 

 

ホット・ロック (角川文庫)

ホット・ロック (角川文庫)

 

 【ドナルド・E・ウェストレイク読書会】ドートマンダー初登場の本作品。4人の仲間たちもそれぞれいい味出してますね!ママと「インディアナポリスの轟音」のレコードを聴いているマーチ、一寸法師になって模型汽車を運転した気になってご満悦のチェフウィック・・・かわいい奴らです。第一段階~第六段階までどんな不運があっても、ドートマンダーが絶大な信頼を得ているところがいいな!ビリヤードを覚えたアイコー少佐も結構気に入っていたので、最後の仕掛けはちょっとお気の毒です。

読了日:7月4日

 

新潮文庫の100冊 2015 この感情は何だろう

海外の作家の作品が17冊。他の出版社のより断然多くてよろしい。人間の心を知りたいかわいいロボットが狂言回しだ。読んだ、とはっきり覚えている本が28冊。泣ける本分野に多い。なんでかしら?

読了日:7月4日

 

カドフェス 2015 発見!角川文庫
あの和風でかわいい表紙たちは、「かまわぬ」という手ぬぐい屋さんのものだったのかー。手拭いがほしくなる。(・・・冊子の意図から外れている私。笑) 既読は14冊。それと絶対手に取りそうにない本が多いけど、元々夏休みのある人たちを対象にしているのでしょうから文句は言えません。
読了日:7月4日
 
踊れ、ココロ、ナツイチ。集英社文庫
 ところどころお試し読みがついていて、読んでみたくなる本がちらほら。でも既読は7冊で、3社の中では一番少ない。ということは、私の守備範囲とは一番遠いということかな?みつばちのバジーちゃん、かわいいですね。有楽町のカレルチャペックでかわいい紅茶を買ったことあります。お土産用です。・・・私はコーヒー党なもので(笑)。
読了日:7月4日
 
きれぎれ

きれぎれ

 

 以前、同氏の『告白』がとてもよかったので、芥川賞(2000年上半期)受賞作「きれぎれ」を読んでみた。資産家のダメ長男の「俺」。妄想と悪夢と現実の境がつきにくくて、また漢字が難しい。この送り仮名ならこう読ませるのかなとスルーしたり、坩堝、鰈が読めなくて辞書を引いたり。(るつぼ、かれい。情けない私) しかしながらテンポが良くて吹き出しながらぐいぐい読んでしまった。「ママンが死んだ」「鎌草少将(深草少将)」とか饒舌な文章だが、精読すれば出典とかざわざわ出てくるのだろう。

もう一編の「人生の聖」は、複数のダメ男のそれぞれ一人称の連作短編集をつなげた中編だ。描写がおもしろすぎる場面が多々あり。漢字が難しくて再び辞書を引きながら読む。やはりさすがミュージシャンのテンポで、どんどん読めるが、複数の「俺」がみんな同じ調子っていうのはちょっとどうかとも思う。

読了日:7月5日

 

 

ジーヴズの事件簿―才智縦横の巻 (文春文庫)

ジーヴズの事件簿―才智縦横の巻 (文春文庫)

 

 ジーヴス初登場の話が読みたくてこちらも借りてみると、国書刊行会『比類なきジーヴス』とかぶってない話は2話だけでした。が、「ジーヴスの初仕事」(ジーヴスとバーティの出会い)と、「バーティ君の変心」(ジーヴスが語り手)どちらもよかったです。翻訳は、新訳のこちらの方が読みやすいと思うけど、森村たまきさんの固い感じの方がバーティの階級に合っているようで、私は好きかな。

読了日:7月5日

 

 

でんでんむしのかなしみ

でんでんむしのかなしみ

 

 「でんでんむし」は、生まれたばかりのでんでん虫が初めて目を出すところから始まる。目にするのは、葉っぱに朝露。キラキラした世界が小さなでんでん虫を待っているすがすがしいお話だ。自分が乗っているのは「大きなでんでん虫」だが、「おかあさん」「おかあさま」と表記を変えていく。新美南吉は幼いころに母を亡くしているせいか、美しい母性を描く作家だ。「でんでんむしのかなしみ」では、ふと気づくと自分の背中には悲しみがいっぱい詰まっている。自分でこらえなければならない悲しみの多くは母に対する思慕の想いではないかと思うのだ。

読了日:7月5日

 

 

ブリジット・ジョーンズの日記 キレそうなわたしの12か月 (上) (角川文庫)

ブリジット・ジョーンズの日記 キレそうなわたしの12か月 (上) (角川文庫)

 

 ブリジット・ジョーンズ、続きは邦訳でさっと読んでしまおうと思います。邦訳で読むとブリジットのドタバタ部分はうざさが倍増(笑)、難しいところは邦訳でも難しいことを知りました。ブリジット・ジョーンズ語とでも言うか・・・アーバン・ディクショナリーでも、ブリジット・ジョーンズ初出なんていう記述がちらほら。ブレアさんは労働党で、保守党ていうのはサッチャーさんの方か、などと確認しながら読んでいます。コリン・ファースにインタビューのところは抱腹絶倒。下巻に続きます。

読了日:7月6日

 

 

ブリジット・ジョーンズの日記 キレそうなわたしの12か月 (下) (角川文庫)

ブリジット・ジョーンズの日記 キレそうなわたしの12か月 (下) (角川文庫)

 

  7年ぶりの労働党政権、ダイアナ妃の悲報などを背景に、前作で完璧な恋人を得たブリジットはつまらないことで彼と別れてしまい、彼を想いつつ相変わらずのジタバタ生活。自己啓発本の山、タイの牢獄、彼を狙う知性と財産を持つ美女などなどにも負けず、一途に彼女を想ってくれるマーク・ダーシー…❤︎ 彼女のありえないドジぶりは、クールな人には耐えられないかも知れませんね。寝不足になるおもしろさでした。

読了日:7月7日

 

 

ブリジット・ジョーンズの日記  恋に仕事に子育てにてんやわんやの12か月 (上) (角川文庫)

ブリジット・ジョーンズの日記 恋に仕事に子育てにてんやわんやの12か月 (上) (角川文庫)

 

 前作から10数年、51歳のブリジット。超高齢出産のため、子供は6歳と4歳。ネタバレは下巻に続きます。

読了日:7月9日

 

 

 今回の設定自体が非常にショッキングだったので内容には言及しませんが、51歳にしてやや大人になった、というのも変だけど、ブリジットの成長が多少は見られた話でした。ツイッター、婚活サイトとiPhoneが手放せない時代、やはりブリジットには王子様が必要っていうのがオールドスクールな感じではあります。笑いあり、今回は大量の涙もあっておもしろかったです。

ブリジット・ジョーンズ3の映画も進行中ですが、内容的には長男が生まれる頃らしいので、原作の2と3の間くらいになるのでは。

読了日:7月9日

 

 

ミリーのすてきなぼうし

ミリーのすてきなぼうし

 

 【教科書に載っているお話シリーズ】「お客さまの想像次第でどんな帽子にもなる、すばらしい帽子です」作者のきたむらさとしさんは、(多分)在英の、イラストレーターで翻訳者だ。だからお話の街並みもイギリスっぽくて素敵。同時に鼻ぺちゃのミリーはとても和風(笑) 絵がとても魅力的で、絵で語っている部分も多いので、教科書にはどんな風に載っているのかな? (2年生)

読了日:7月10日

 

 

サンキュー、ジーヴス (ウッドハウス・コレクション)

サンキュー、ジーヴス (ウッドハウス・コレクション)

 

 予習の甲斐があり(笑)グロソップが喧伝している「寝室に猫」の逸話などは分かったものの、再びアガサ伯母さんを逃れてアメリカへ行き、婚約騒動などいろいろあったのだなーと思う。今回は初の長編、しかも舞台は田舎で登場人物が少ない分、バーティーは意に沿わない大活躍だ。ジーヴスは「取るに足りない」バーティーを独身貴族にしておくためなら何でもしてしまうのだな。

【英ガーディアンの1000冊イベント 54冊目】

読了日:7月10日

 

 

ジーヴスと恋の季節 (ウッドハウス・コレクション)

ジーヴスと恋の季節 (ウッドハウス・コレクション)

 

 「おば、おば、おばの大海原」という屋敷に招かれて、4組のカップルが結婚にこぎつけるまで、バーティーの奮闘が続く。ジーヴスは、バーティーの窮地を救っているようでありながら、最初に窮地に陥るような設定を組むのもジーヴスだ。美女が登場しても現在のバーティーの望みはいかに結婚から逃れるか、ということに尽きる。訳者の森村たまきさんが「執事」と訳したが本当は "gentleman's gentleman"は従者の方が正しい訳になると書いているが、悪友によれば「飼育係」とも。どんどん飼いならされているバーティーだった。

【英ガーディアンの1000冊イベント 55冊目】

読了日:7月12日

 

 

ウォンバットのにっき (児童図書館・絵本の部屋)

ウォンバットのにっき (児童図書館・絵本の部屋)

  • 作者: ジャッキーフレンチ,ブルースホワットリー,Jackie French,Bruce Whatley,かしまあおい
  • 出版社/メーカー: 評論社
  • 発売日: 2005/10
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 ねて、たべて、かゆいところをかく。にんげんはとてもいいペットになるそうだ。オーストラリアっていいところだな。

読了日:7月13日

 

 

ダンスのすきなジョセフィーヌ

ダンスのすきなジョセフィーヌ

  • 作者: ジャッキーフレンチ,ブルースホワットリー,Jackie French,三原泉
  • 出版社/メーカー: 鈴木出版
  • 発売日: 2009/09
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 ダンスの好きなカンガルー。お望み通り、チュチュを着てトウシューズで舞台に立つことに。ウォンバットもこっそり登場。「ヒットラーのむすめ」の作者の本は図書館に3冊。2冊はオーストラリアの動物を主人公にしたかわいい絵本でした。

読了日:7月13日

 

 

鍵・瘋癲老人日記 (新潮文庫)

鍵・瘋癲老人日記 (新潮文庫)

 

   『鍵』56歳の夫と45歳の妻。夫婦の性生活を夫と妻の二人の日記の形で綴る。相手に隠しながらも読ませたい。意図的な企みもあって、読者も日記を盗み読む共犯者になった気分だ。『瘋癲老人日記』77歳で持病もある資産家の老人が性的には不能であっても性欲はあって、愛する対象は嫁の颯子(さつこ)である。性生活だけを切り取って書かれた『鍵』の変態ぶりがすごかったので、そのあとに読んだ『瘋癲老人日記』の方は趣もあり、老人の母への慕情もあり、足フェチのオ爺チャンにかわいらしさえ感じた。

谷崎先生も、性欲と血圧の間でたたかう日々があったのかしら。【英ガーディアンの1000冊 56冊目】 ちょっと気持ち悪いのが日本代表……。

読了日:7月16日

 

 

ウドウロク

ウドウロク

 

 有働さん、好きだな〜♪ 初めてあさイチを見た頃は、アナウンサーが突っ込んだ発言をしていて、ジャニーズの相方がフォローしてるってすごいなと思ったのですが、今では大ファンです。クロウドウ語録と後輩アナへの助言がおもしろかった。家族のこと、不妊治療のことなどしんみりしました。

読了日:7月17日

 

 

時の旅人クレア〈1〉―アウトランダー〈1〉 (ヴィレッジブックス)

時の旅人クレア〈1〉―アウトランダー〈1〉 (ヴィレッジブックス)

 

 ドラマの予習で、取り急ぎ読み~♪ 1945年スコットランドのハイランド地方から200年前へタイムスリップしてしまうヒロイン、クレア。スコットランドのジャコバイトが背景になるらしく、キルトをひらひらさせながら戦う(不潔な)男たちにわくわくします。アメリカでベストセラーになったという本シリーズ、しかし長いな……本書が387ページで、既刊が23冊。

読了日:7月20日

 

 

春琴抄

春琴抄

 

 NHKBSプレミアムの「妖しい文学館」で、春琴抄を取り上げるというので予習再読。テレビ番組のサブタイトルは「こんなにエグくて大丈夫?……」というもの。ゲストは豪華なメンバーだ。でも、晩年のころの作品に比べると全然エグくない(笑)。谷崎先生の文体の色々な感じはそれぞれ理由があるのだろうけど、今回は読点がなくて会話の部分が文語体だ。二人の墓所を訪ねる取材者の視点であるため、読者からは二人の姿が淡い布の向こうに透けて見えるくらいの距離感だ。

妖しい文学館、おもしろかった~。http://www4.nhk.or.jp/P3613/x/2015-07-22/10/16733/ パネリストは島田雅彦,鈴木杏,平野啓一郎,山本容子,渡部直己だが、『春琴抄』から谷崎を読み始めた若い人には、ちょっとびっくりするような内容だったのでは。

「私は春琴抄を書くとき、いかなる形式を取ったらば本当らしい感じを与えることができるかの一事が何よりも頭の中にあった」「春琴抄後話」より。架空の本「鵙屋春琴伝」からの引用の形をとった部分が文語体だった。現代文で語ったことを古文で語りなおしたりする。「目をつぶすところだけ急にドキュメンタリータッチになるメリハリがすごい」とみなさん。

読了日:7月21日

 

 

斧 (文春文庫)

斧 (文春文庫)

 

 リストラされた男が、自分の専門の仕事に再就職したいと願って2年。希望の仕事を見つけ、その職に就いている男を殺す。その前にライバルになりそうな男たち6人をまず殺すという計画を立てた。平凡な男がシリアルキラーになれるのか。息子の逮捕、妻の浮気とカウンセリング。押し寄せる心理的負担に、時には涙にくれ自供書を書いたりした後でもまた立ち上がる、強さがある男には見えないのだが。意外なラストで、満面の笑みを浮かべている主人公だが、結末は明かされない。解説者がPL法による警告をつけたのがおもしろい。

読了日:7月24日

 

 

世界の美しい図書館

世界の美しい図書館

 

 美しい建築物と林立する書棚のコンビネーションにうっとり。……貧しくて本が読めない境遇に生まれ、お屋敷の図書室に迷い込んで「こんなに本がいっぱい!」という少女みたいな感動です。(吹いて結構です、ここ)

読了日:7月29日

 

 

The Wind in the Willows (Illustrated) (English Edition)

The Wind in the Willows (Illustrated) (English Edition)

 

 美しい川辺の情景と動物たちの友情を描きますが、うぬぼれ屋のMr. Toadが出る章は俄然おもしろくなります。大学の英語の授業でこの原書を読み、とても難しかった覚えがあってリベンジの再読です(笑)。今読み直すと、一文は長いものの素直な読みやすい文章ですが、やはり語彙の多さは半端なく、難しい単語が饒舌に使われています。何人もの著名な挿絵画家が絵を付けているせいかkindle本も複数ありましたが、この版はアーサー・ラッカムの絵が見られます。【英ガーディアンの1000冊、既読】

(´-`).。oO(自分のガーディアンの既読リストを見ると、この本は入れてなかった。……よく思い出せないくらいの本は入れなかったんだっけ。57冊目です。)

読了日:7月31日