3月に読んだ本まとめ
3月は忙しくなかったつもりだったけど、あまり本が読めませんでした。
1つには、読書メーターには記録してなかったけど、漫画の「宇宙兄弟」をせっせと図書館で借りては読んでいたせいも。おもしろいですね!
娘が「映画でお兄ちゃんを演じたの、大泉洋だっけ?」と言うのです。違います。イケメンの小栗旬君です。でも、なんてぴったりなんだ、大泉洋・・・。
2015年3月の読書メーター
読んだ本の数:12冊
読んだページ数:2337ページ
ナイス数:673ナイス
今月の1冊はこれです。
芥川賞受賞の表題作を読んだ後、他の3つの短編を読むと同じ地方というだけでなく繋がっている。あちこち読み返しては感慨にふけってしまった。共通項は「ミツさんの(多分障害のある)息子さんが入院して重篤なこと」だ。表題作は故郷に戻ってきたものの、まだ幼い息子の障害を受け入れられず苦しんでいる女性が、そのミツさんのことを何となく心の支えにしている。その苦しみの過程が一つ一つ胸に迫る。とてもよかったです。
読了日:3月5日 著者:小野正嗣
小野正嗣さんが素敵すぎて、感想書いてました。
子供の頃に読んだときは主人公に嫌悪感しか持てなかった。久しぶりに読むと、子供っぽい嫌悪感はもう感じないものの、やはり共感、とまではいかない。私には太宰の引き出しがないのだ。
読了日:3月30日 著者:太宰治
- 作者: E.L. Konigsburg
- 出版社/メーカー: Atheneum Books for Young Readers
- 発売日: 2011/05/24
- メディア: Kindle版
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カニグズバーグが大好きなのですが原文から読むのは初めてで、各章の初めにイタリックで会話が記されているのですが、誰と誰の会話なのかがなかなかわからず、これは原文だから理解できてないのかなーと、危ぶみながら読みましたが、種明かしのところでおおーっとなって、なかなか感動でした。富裕な一家の元へ、誘拐されて長年行方不明だった前妻の娘が戻ってくるという話です。障害児の扱いにはちょっと疑問な部分もありましたが、とてもおもしろかったです。邦題は『なぞの娘キャロライン』
読了日:3月29日 著者:E.L.Konigsburg
若き友人たちへ―筑紫哲也ラスト・メッセージ (集英社新書 515B)
- 作者: 筑紫哲也
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2009/10/16
- メディア: 新書
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若き友人たちへ―筑紫哲也ラスト・メッセージ (集英社新書 515B)の感想
筑紫哲也さんってこんな人だったのか…と思いながら読みました。2005年頃の早稲田と立命館の大学院生向けの講義が主ですから、もう10年前の内容になってしまいましたが、なるほどと思うところが多々ありました。「知の三角形」(information, knowledge, wisdom)という考え方については、情報過多な現代、肝に据えておかなければ…と思いました。友人がくれた本です。(私でなく娘にくれたのかな?と思いつつ…)
読了日:3月24日 著者:筑紫哲也
ナンセンスは楽しい!ヤンソンの挿絵で、難解とか考える必要も感じられなくなりました。「狩り」でビートルズのバンガロー・ビルや、役立たずのメンバーで「宇宙の果てのレストラン」とかいろんなことをほうふつとさせながら読みました。パン屋がすきです。肉屋とビーバーが、大工とセイウチみたいないいコンビになったり、銀行家がひどい目にあったり、楽しく読みやすくて穂村さんはいい仕事していると思います。欲を言えば、著者の序文があるので、巻末でもいいからつけてほしかった気はします。
読了日:3月20日 著者:ルイス・キャロル
なんでまたそんな本を読んでるの?と娘に言われます(笑)気に入ったところ→「悪いのはあなたの心がけでも、意志の弱さでもありません。すべての原因はあなたの「部屋」にあるのです。」私(そうか私の所為じゃなかった!詭弁とでも何とでも…)おもしろいところ→ソファ・収納家具をとっぱらってでも、オープンシェルフの本棚はインテリアとして必ず設置しよう。私(埃の溜まりそうな写真集を並べている予感…)
読了日:3月20日 著者:部屋を考える会
追悼、松谷みよ子さん。『ふたりのイーダ』に始まる「直樹とゆう子の物語」のうち、一番怖いこの本を再読しました。司修さん(挿絵)とのコンビもすばらしいです。隠されていた日本の戦争責任を、戦争を知らない日本の子どもたちが暴いていく設定が秀逸です。731部隊の話は本当にぞっとします。私たちは松谷さんが残してくれたバトンを受け取り、次の世代へ手渡していかなければと思うのでした。
読了日:3月19日 著者:松谷みよ子
- 作者: ターハルベン=ジェルーン,Tarhar Ben Jelloun,菊地有子
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 1996/06
- メディア: 単行本
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モロッコの裕福な商人に、息子として育てられた末娘。男として育たなければ得られなかった知性と、女の身体の要求に苦しむ。その男(女)について語る講釈師。講釈師が姿を消した後、人々が語る何通りもの彼(彼女)の行く末。常に介在する哲学。母と姉たちが影のように薄い存在である一方、世に出て出会う女性は暴力的で支配的で共感できない存在であるのが悩ましい。続編の『聖なる夜』から先に読んでしまったので、今回いろいろ腑に落ちた。
読了日:3月18日 著者:ターハルベン=ジェルーン
タハール・ベン・ジェルーンの「イスラームってなに?」を読み、池上さんで復習。ムスリム以上にイスラム世界を弁護する池上さん。中東問題の発端はイギリスの三枚舌だし、タリバーンを育てたのはアメリカだ。息子ブッシュってほんとバカだ。池上さんの本を読むと瞬間とても賢くなるのに、しばらくすると忘れてしまうのが悩み。ええと、シーア派とスンニ派と、イランに多いのはどっちだっけ…といった具合です(・ε・。)
読了日:3月15日 著者:池上彰
水色の洋館には建てられた時の写真集があり、その現在の様子を知りたがっている女がいる。太郎も興味を惹かれていく。太郎の父、北海道へ行く同僚、取り壊し予定のアパートの入居人たち。複雑な町並みながらぽっかりと庭木の植わった庭が出現する世田谷の町。何となく面白く読み進むうち、最後に語り手が変わったので、太郎では語れない何が語られるのか~~?と期待するが…。2014上半期芥川賞受賞作。
読了日:3月11日 著者:柴崎友香
- 作者: ジャクリーンウッドソン,Jacqueline Woodson,さくまゆみこ
- 出版社/メーカー: あすなろ書房
- 発売日: 2008/03
- メディア: 単行本
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15歳の二人の出会いが、とってもロマンチックでした。お互いに初恋で一目ぼれで、言葉よりも眼差しが多くを語るっていう…❤。白人の少女が一目ぼれした相手は、ドレッドヘア、褐色に光る肌、瞳の色が薄いスポーツマン……。私が主人の転勤でアメリカに住んでいるとき、差別されてると感じたことはなかったのですが、白人や黒人と結婚している日本女性は、変な目で見られることがよくあると言っていました。黒人の大統領が誕生した後でも、問題は根深いですね。
読了日:3月11日 著者:ジャクリーンウッドソン
ケニア、ナイロビ近郊の村エンザロ。JICAのプロジェクトで現地入りしていた岸田袈裟さんの業績を紹介する。岸田さんが現地の人たちに教えたのはかまど作りと草履を編むことだ。地元にある材料で、現地の人たちが自分で作れるかまどだが、熱効率が良く鍋をかける口を3つ取れることから、湯冷ましを飲めるようになり、赤ちゃんの死亡率がぐっと減ったという。はだしで生活する人に草鞋を編む方法を教えたのは、元は産婆にエイズがうつらないようにという発想からだ。かまども草履も、岸田さんの故郷岩手県の遠野に伝わっていた技術だ。
読了日:3月7日 著者:さくまゆみこ
読書メーター
おまけ。ここまで読みました。次が来るのが待ち遠しい!