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INPUTして、OUTPUT。

エドウィン・マルハウス あるアメリカ作家の生と死 スティーブン・ミルハウザー

原題のタイトルは、

EDWIN MILLHOUSE: The Life and Death of an American Writer 1943-1954 by Jeffrey Cartwrightという長いタイトルだ。スティーブン・ミルハウザーのデビュー作である。

エドウィン・マルハウスという11歳で夭折した天才小説家の伝記を、6か月年上のジェフリーが伝記作家となって書いたものという体裁だ。11歳の生涯を、幼年期・壮年期・晩年期に分けているところが微笑ましい。生まれてすぐから11歳までのエドウィンの全てが、記憶のいい観察者ジェフリーによって描かれ、冷静かつ微に入り細を穿つ描写が延々と続く。1943年コネチカット州生まれの二人。結末に動揺して、うまく感想が書けない(´・_・`)

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(First Edition    wikipediaより)

 幼年期の~少年期の子どもの目線で描かれる世界は、瑞々しく、懐かしく、驚きと楽しさと苦痛に満ちている。たゆまぬ集中力による観察は、ジェフリーのエドウィンへの深い愛情なのかなと思って読み進むと、エドウィンが11歳で亡くなることがわかっている故に切なくなる。ところが、筆致はとても冷静で客観的で、情緒的なとこはあまりない。・・・子供を甘く見過ぎてはいけないのだ。

 

この本を勧めてくれたのは、高校3年生の美女にして読書家なお嬢さんだ。金原瑞人さんの『12歳からの読書案内』にも載っている。でも、決して子供向きの本とは思えない。大人でもミルハウザーの世界をたっぷり堪能できるだろう。

 

エドウィン・マルハウス―あるアメリカ作家の生と死

エドウィン・マルハウス―あるアメリカ作家の生と死